昭和3年「現代漫画大観 日本巡り」より利根川の外輪船。
「外輪船」は昭和初期の段階で、すでにレトロ気分な乗り物だったみたいですよ。以下、漫画についている解説です。
大利根、香取 (千葉県)
霞ヶ浦、大利根をうろつく交通機関が、明治文化の遺物、外輪船であることがなかなかに興味深いのである。この船、時々、浅瀬へ乗り上げて後押しされて動くこともある。時候の好い時は、屋上へ甲羅を干して名物ワカサギで一杯傾けながら、水郷を一目千里の間に収めて悠々自適するに都合の良い船である。津の守へ着くと大きな鳥居がある。香取神社の裏参道で遥かの森が奥ゆかしい。
「屋上へ甲羅を干して名物ワカサギで一杯傾けながら」って、屋上はフリーなスペースだったのかしら。
「外輪船」をはじめてみたのは数年前、品川の物流博物館で。妙にバタ臭い、可愛い船じゃないですか。でも、明治って西洋の文化を直輸入するから、こんなものかな、と思っていた。
この船が、江東区の小名木川を走っていたというのがなんだか信じられないけど、走っていたのだなあ。画像と文は品川の物流博物館より
小名木川を行く通運丸「東京小名木川 日本精製糖株式会社」明治時代
「運河・堀割に囲まれた江東地域は、江戸時代以降北関東・東北方面から江戸に入る玄関口として発展を遂げました。小名木川を抜け、新川を経由して江戸川、利根川に入る航路は、多くの船で賑わったことでしょう。そして、関東各地の河岸は江戸と水上交通によって結ばれ、人やものが交わる場所として重要な位置を占めることとなります。このような関東の水上交通にとって大きな転機となったのが川蒸気船でした。新たな交通手段の登場は、河岸やそれに携わる人たちに大きな影響を与えました。」
「外輪船」って「カーマはきまぐれ」のビデオに出なかったけ?と見返してみたら出ていませんでした。残念!