衣紋をぬく街、ぬかない街

永井荷風は、ながいこと食わずぎらいをしていましたが、読んでみたらやはり苦手でした。

でも、路面電車の描写はちょっと面白かった。

花街(新橋あたり)の若い女中が、お使いで山の手まで電車に乗って行く。すると途中から車中には、自分のように「抜き衣紋の女」は1人もいなくなっていることに気づき、急に心細くなる…という話しです。他の女の乗客は「詰め襟ばかり」。


(私にも似た経験がありまーす。ふだん“東京のチベット”を走るJRを利用している私は、渋谷発のおしゃれ私鉄に乗った時、車中に自分のようなピントのずれた洋服の女性が1人もいないことに気づき、急に心細くなるのです。)

画像は昭和6年、衣紋ぬかない派の女性。