「バイセクシャルとカツラをカミングアウトし、話題になっている三善英史さん特集」をラジオで聞く。お母さんが、渋谷・円山町の芸者さんだった話など。
以前、大岡昇平(お母さんが和歌山の芸者だった)の自伝的小説「少年」講談社文芸文庫(1975)の中で、
私は今でも芸妓の子であることを売り物にする歌謡歌手などを見るといやな気がする。
その歌手が、この時の私のように、どうしても乗り越えなければならなかったもののことを考えると、「はじめてお母さんが芸妓だと知った時は」とか「お母さんの職業をどう思います」とか質問する司会者を張り倒してやりたくなる。
あれは噛まずに呑み込むほかはないものなので、冗談事ではないのである。
というのを読んだことがあったけれど、時期的に三善さん(1973年に『円山・花町・母の町』でNHK紅白歌合戦に初出場)のことかも。大岡氏の“売り物にしている”という言い方がふさわしいのかわからないけれど・・・・
そういえばヒューグラントの映画「アメリカン・ドリームズ」で、人気オーディションTV番組の出場者が、“勝ち抜くためには家庭環境を出来るだけドラマチックにアピールしましょう”みたいに業界のヒトに入れ知恵されているシーンがあったなぁ。