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お手本は、丸ビル

*1

社史に見る太平洋戦争」(井上ひさし編)
たしか荒俣先生がすすめていた本で、大企業や有名な団体の社史*2に出てくる戦時下の様子(社史・記録なので、わりと事務的)が集められています。


たとえば、とっつきやすいところで、丸ビル(三菱地所社史)のエピソードなどがありましたー


むかしむかしその昔、三菱地所〜J−WAVE〜加藤和彦丸の内スタイリッシュ・カフェよりも、ずっと、むかしの丸の内…


現在の「新丸ビル」に相当する場所には、空襲に備えて大貯水池が作られていたけれど、貯水池が腐ってすごく臭くなり→近隣のビルから苦情が→蚊の発生を防ぐため5万匹の鯉の稚魚を放つ→残飯で大きくなった鯉は昭和19年の食糧に→敗戦→進駐軍DDT散布で鯉は死滅、みたいな…………


ちなみに丸ビルは、兵器増産のための「金属供出」の目安になっていたそうです。(丸ビルは、暖房設備・エレベーター・階段や窓に付属する金具など、ビルに必須なものまで撤去されていた)。“丸ビルさんの金属供出の結果を見てから、ウチも供出しよう…”という感じだったらしい。丸ビルが都民の手本!というわけで、警察が見廻りにきては金属部分の取り残しをチェックしていたとか。



さらに昭和18年には、ドアノブ・蝶番・水道給水栓・水洗便所調整器なども、供出しなくてはならなくなったけれど、丸ビルが、さすがにそこまで取ったらビルとしてマズイですよ…、と、供出をしぶっているうちに爆撃が激しくなり、金属回収どころではなくなったとのこと。


(ドアノブ、蝶番まで無いビルって……。ツメとか末端部分にその人の健康状態が出てしまう、を連想してしまいます。)


製鉄会社の社史なども載っていますが、資生堂、女子学習院高島屋、帝国ホテル、国立博物館など、女性に馴染みのある団体も掲載されています。

*1:画像は、丸ビルではなくて、10年ほど前に撮影した新丸ビル(昭和27年製の新丸ビル)です。

*2:「社史」なので、自分とこに不利な(でも、超重要そうな)エピソードは、けっして出てこないかんじ

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