聖地の光と影

私の近所の町は、人気マンガの舞台になっています。


イエスとブッダ・・・・「聖人男子」2人が活躍する、ほのぼの漫画です。


町の書店には等身大の看板に“お求めはぜひ、「聖地」で!”みたいに書かれているし、公共施設のイラストマップにも“聖人男子2人が遊んだ公園はココ!”みたいな紹介もある。歓迎ムードですねー。


漫画を読んだ方は、“ゴクドウの人がぶらついている、昭和な町でしょ?”と思うかもしれませんが、実際は、過剰なほどに未来都市を演じようとしている町です。(裏通りはともかくとして。)先日、近未来の特撮ヒーローもロケしていたくらいですから。



このようにモノレールが走っています。消せ、生活臭ッ!





■あ、さて〜。


そんな町ですが、昨年秋にはメジャーなサスペンス映画の舞台にもなっていたんですよ。


原作は松本清張。人気の監督&人気の俳優達によって「半世紀ぶりに」リメイクされたのです。↓

ヒロスエ


♪ご当地映画♪ということで、この映画も町が歓迎すると思うでしょう、普通は?


しかし、町は驚くほどスルーしていました。


映画の公開中、町の書店では松本清張の原作にポップ1つ立たなかった。ふだんは非常にマメな書店なのに………。シーンと静まりかえった書棚が、逆に“何か”を物語っていたような………。



まだ、「戦後」は終わっていない?(関連話題/町の過去id:NARASIGE:20091215)。



(※ちなみに、同時期に上映されていた山崎豊子沈まぬ太陽』の関連本は、華やかに陳列されていましたヨ。)



■参考画像1  エアベース時代の町。この町には、日本の地図には掲載されない「飛行場」があり、フェンスの内側は外国でした。貧しかった日本とは比較にならないほどのリッチな外国です。


周辺には基地に依存した歓楽街が広がっており、松本清張は、この「歓楽街」の存在をサスペンスの鍵にしたのです。


以下は、小沢昭一「色の道商売往来より」、朝鮮戦争の頃、GI達が日本で金を使いまくったエピソード。

小沢) 朝鮮動乱の頃はどうでしたか。

寺沢) 負けている時のほうが、金の使い方がムチャでしたね。

小沢) ベトナムで繰り返しているわけだ。

寺沢)だいたい、5日間の休暇で、1.2等兵で15万ぐらいのカネを持ってくる。いちばんひどいときは、あぶなくなって釜山の近くまで押さえられた時なんか、死ぬか生きるかわからないというので、ありったけのカネを使う。それをポン引きが根こそぎ持っていく。


以下は、町のお年寄りの話を抜粋

1950年に朝鮮戦争が始まると、基地周辺は予備軍として本国から送られてくる米兵で、あふれかえった。「街には、『パン○ン』などと呼ばれる米兵相手の女性が数千人はいた。百人以上入るキャバレーも七軒あった。米兵相手の商売で、一山当てようという輩(やから)も押し寄せ、街は徐々に混とんとした様相を呈した。(読売新聞)

この歓楽街の混沌が飛び火するのを恐れた隣町は、思わず文教地区になってしまったほどです。【関連話題 お上品を勝ち取った町id:NARASIGE:20100227】

広告を非表示にする