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浮世絵と、昭和の東京オリンピックの間に。


江東区周辺を調べるのに、このカラーブックスが便利です。


浮世絵に描かれた光景を、昭和39年・東京オリンピック直前の東京と比べる本。


東京オリンピック直前のモノクロ写真の数々が、とっても、アレで、「古きよき昭和」とか言わせないキビシイ作りになっています。現在の私らはいろんな記憶が消えた時代に生きているから、好き勝手に江戸情緒ファンタジーを作れるけど、明治生まれの著者はそうもいかんのでしょう。


前書きには「江戸の香の残った東京は、大正12年の関東大震災ほとんど消えてしまい、その名残も昭和の大東亜戦争の戦災ですっかり消えた。その上、東京は今、オリンピック準備で大わらわである。明治大正はもとより昭和の昨日までの姿もなかなかつかめない状態である。」とあります。



例えば、浮世絵に描かれた小名木川の五本松の現在(というか昭和38年)。ふー。



五本松は大正時代に枯れてしまった。川筋にセメント工場があって、川から荷揚げする石灰や石灰の粉、それにセメントが飛散して、それをかぶって松が枯れたのだそうだ。川沿いののどかな道は、倉庫や工場があって通れなくなっている。」

著者の宮尾しげを氏(明治35年生まれ)は、すご〜く上手な漫画家(私のサイトでも何回かご紹介しました。)。この本には、残念ながら宮尾氏の漫画はありませんが、巻末の方にしみじみした地図はけっこう描いてます。