地図で解明! 東京の鉄道発達史 (単行本)を読んでいたら、大正に計画されていた幻の地下鉄路線が出ていた。
路線は以下の通り。
始発駅と終点の駅は、
築地→小村井
荏原町→北千住
恵比寿→下板橋
渋谷→月島
角筈(現・西新宿)→砂町
池袋→大島
これを見て驚いた。
終点が、ほとんど東京の東側。しかも、かつての工場地帯。たぶん東京生まれの人も、「どこ?それ?」という地名が多いのでは。
昔の地下鉄って、繁華街と繁華街を結んだり、デパートの力で建物直結にしてみたりする浮かれたものだと思いこんでいたから、この地下鉄計画は意外だった。
(終点の1つである月島界隈は、今でこそ「古きよきエリア」みたいに思われているけど、もともと軍需工場の町だし。月島は私の生まれ故郷。幼い頃は廃工場で遊んだものじゃった)
しかし戦前の映画館が、銀座や浅草だけでなく、東京の東側に多かった点を考えると、かつては現代からは想像しにくい「盛り場」だの「お金を落としてくれる消費者層」の分布図があったのかも。なんで今の私達が昔を想像しにくいかというと、大工場地帯の跡地はその広大な敷地を生かして大公園・大団地群・ショッピングモール等に大変身しており、過去を感じさせないからだと思います。
獅子文六の小説によれば軍需工場の熟練工はかなり収入が多かったそうですよ。