私が才能のある映画監督ならやってみたいこと。
それは、グッバイレーニン的な音楽にのせて、広池秋子の「オンリー達」を映画化すること。
「オンリー達」は、「基地そばの下宿のオバさんは見た!」のテイで書かれている小説(小説とはいえ、地元の老人の説によれば作者の実体験に近いとか。作者イコール米兵に部屋を貸している下宿のオバさん。米兵への部屋貸しは基地の街T市では珍しくなかった)。芥川賞候補にもなったそうですよ。
敗戦間もない頃、基地の街T市を舞台に、フェンスの中の豊かさを手にしようと右往左往する人たち。特に女性の場合は一攫千金を狙うために、身を挺して!のシーンも多い。映画化にあたっては、陰惨になったり、妙に美化したり、の方向に走りそう。そこをグッとこらえて、グッバイレーニンぐらいのバランスに持っていくのだ。
どうしても陰惨に生臭くなるのであれば、グランドブダペストホテルみたいに、おもちゃっぽい乗り物(ケーブルカーとか)などを用い、中和を試みたい。
その映画が完成しても、基地の存在のお陰で超リッチになった階層の要望で、ご当地では上映されないかもしれないけどね。