いくさの周辺

「銀座二十四帖」をカラーで置き換えてみる

モノクロの「銀座二十四帖」(1955昭和30・川島雄三)を、カラーで置き換える遊びをしてみました。(1950年代初頭の時代背景は「朝鮮戦争と聖路加病院」に書きましたのでご覧ください↓) narasige.hatenablog.com 「銀座二十四帖」の公開は、終戦からちょう…

変わる変わるよ、フェーズは変わる

私は、戦中・戦後のことをチマチマ調べていますが、以前は、そんなもの一切知りたくない人間でした。親が戦時中に疎開していた世代なので、子供たちに昔の苦労を語り「それにひきかえ、恵まれたお前達は…」と説教するからです。 そんな私が変わったのは、10…

庭園美術館と防空壕と。

新型コロナによる緊急事態宣言が解除されたので、かねてから行きたかった庭園美術館で「東京モダン生活 東京都コレクションにみる1930年代」を見てきました。 そして、敷地の一角にある防空壕をチェック。防空壕は3箇所あるそうです。そう!1933年竣工の朝香…

長谷川町子さん、翼賛一家、

長谷川町子さんの「翼賛一家 大和さん」。たまたま、最終回がのっているアサヒグラフを持っていたので、のせておきます。(昭和16年5月14日号。) この時、町子さん21歳。長谷川町子美術館に、詳しい年表があります。 対談やエッセイをまとめた長谷川町子思…

東京行進曲・モスコー行進曲

獅子文六の「浮世酒場」(昭和10年「新青年」連載)には、シベリア帰りの男が酒場で、クレムリンやモスコーでの経験を虚実とりまぜて話すシーンがあります。以下引用。 「非常時どころか、ジャズで踊って、ウオッカで更けて、明けりゃ闘士の涙雨という、モス…

道しるべとしての富士山

maraudersREVsmall pixel | mike skidmore | Flickr 獅子文六が、敗戦後、読売新聞の誘いで「平和号」という飛行機に乗った時のエッセイに、"道しるべ"としての富士山が出てきました。 じきに駿河湾。バカにならぬ景観である。富士山はどうしても、日本本土…

羽田空港と、角砂糖のような建物

獅子文六の「胡椒息子」(昭和12年8月〜13年9月「主婦の友」連載)に、富豪の家庭の少年少女が羽田空港に遊びに行くシーンがあります。羽田空港で「エア・タクシー」に乗り、「東京の空の散歩」をするつもりなのです。(話の展開上、「エア・タクシー」には…

朝鮮戦争と聖路加病院

以前、吉田豪さんが"芸能人の本を読む時は、同じ出来事を複数の本で読むと、立体的になってくる"というようなことをラジオで言っていました。例えば、ある宗教について、"勧誘する側の芸能人が書いた本"と、"その人に勧誘された経験を書いた芸能人の本"を読…

ヒリヒリする「ユーモア小説」

久しぶりに、獅子文六の「南の風」を読み返しました。 南の風 (朝日文庫) 作者:獅子文六 発売日: 2018/06/07 メディア: 文庫 「南の風」の裏表紙に「幻のユーモア小説」とありますが、これ、新型コロナの時代に読みかえすと、けっこうキツいです。以前は、フ…

国民服の着こなし

国民服の広告(昭和16年5月のアサヒグラフ)です。「国民服」「興亜の晴衣」とはいうものの、イラストは、彫りの深そうな、10頭身の人が着ていますね。昭和15年11月に国民服令が出たので、ちょうと半年たったころでしょうか。 実際に、着ている写真をのせま…

昭和11年(1936)の古関裕而

昭和11年4月号(1936)の雑誌「ホームライフ」に出ていた広告です。コロンビアレコードの軽量蓄音機。軽量をアピールするためか、若い女性がしなやかに踊っています。 左側の新譜欄に、古関裕而の名前が〜。 古関裕而の昭和史 国民を背負った作曲家 (文春新…

古関裕而と、国境の地名

古関裕而の昭和史 国民を背負った作曲家 (文春新書) 作者:真佐憲, 辻田 発売日: 2020/03/19 メディア: 新書 古関裕而 の本を読んでいます。軍歌のヒットを飛ばした小関が、1939(昭和14)満洲を視察する様子に興味津々。中でも、小関が自伝の中で"朝鮮の地名…

「ピーターラビット」 と、時局成金

映画の「ピーターラビット」 のことを食わずぎらいしていました。どうせ、可愛いウサギと、こぎれいな白人の映画だろと思っていたのです。見てみたら、こぎれいな白人の恋愛が、けっこうメタな感じで笑えた。「はははは、つかまえてごらんなさい」みたいな高…

小池都知事の「打ちてし止まん」(「撃ちてし止まむ」)で思い出したことなど

寺田寅彦随筆集(岩波文庫)第4巻284頁に、昭和9年の日劇の閉鎖が出ていました。有楽町の日劇(現在のマリオン)は昭和8年の12月にオープンしましたが、昭和9年の9月に閉鎖って早すぎる!と思いましたので引用します。 「陸の竜宮」と呼ばれる日本劇場が経営…

城戸崎愛さんと、松本清張と。

戦火とドーナツと愛 (be文庫) 作者:由井 りょう子,城戸崎 愛 発売日: 2004/06/18 メディア: 文庫 戦時中に女学生だった城戸崎愛さんの自伝です。野中モモさんの記事で知り、早速、購入しました。最近の私は松本清張脳になっているのでw、「戦火とドーナツと…

近衛内閣とキャサリンヘップバーン

私は洋画に詳しくありません。なので、キャサリン・ヘップバーンもカトリーヌ・ドヌーブもブリジッド・バルドーも、いっしょくたに「昔の人」「お洒落の手本にされる人」でくくっていました。下の写真は映画「旅情」です。もう!永遠のお洒落さんですね。 キ…

国境の観光、鴨緑江節

↓これは昭和3年の「現代漫画大観・日本巡り」に出てくる朝鮮「新義州」のページ。昭和3年の本なので「日本巡り」に朝鮮・台湾・樺太などが出てくるのです。日本の名所として鶴ヶ岡八幡宮(鎌倉)と、ピョンヤン(朝鮮)が同じ本に紹介されている本‥。 解説の…

建物の原型がわからないケース

私が子供だった昭和の頃は、戦前の建築がまだ沢山残っていたようなのです。「ようなのです」と煮え切らないのには理由があります。戦前のビルは改造されたり広告が沢山貼られたりして、原型が全然わからないケースがあったから。(例・有楽町日劇、数寄屋橋…

八丈島に応召

東京都中央区が出している「中央区の女性史」。中央区の年配女性(立場が色々!)の聞き取りで内容が濃いです!私も中央区出身の人間。少しずつ感想や情報をまとめていきますね。 No.5「空襲で3回も被災」新川の印刷業の一人っ子として生まれた女性の話。以…

戦中・戦後のドレスメーカー学院

東京都中央区が出している「中央区の女性史」、いろいろな立場の中央区の年配女性の聞き取りで内容が濃いです!少しずつ感想や情報をまとめていきますね。 No.1「好きな洋裁で身をたてる」:銀座8丁目在住の方が、戦時中、山脇を卒業後、ドレスメーカー女学…

日本海中心時代来る

日本海中心時代来る(北日本汽船株式会社)というポスター。 各地支代理店の中に、今でいう北朝鮮の港(清津 羅津 雄基)が含まれています。 ちなみに、以下は代理店のあった「清津」の郵便物。 「観光の清津」「記念スタンプ用」「北鮮随一の大都」と書いて…

慰問あれこれ

Christina Aguilera - Candyman (Edit) 日本の場合、戦地に慰問というと内海桂子師匠が満州に巡業☆的なイメージですが、アメリカは派手そうですね。 クリスティーナ・アギレラ「キャンディマン」は第2次大戦中の設定。メイクが戦時中の看護婦さん募集ポスタ…

ソウルに行ってきました

ソウルに行ってきました。「新世界百貨店」という、かつて三越京城支店だったデパートを見るためです。知り合いの老婦人(←お父さんが京城帝大の勤務)から、少女時代に三越で買い物をしたという話を聞き、行ってみたくなったのです。【関連話題】 三越京城…

夜電波と、母

菊地 成孔さんがポッドキャストで語る大久保〜新宿と、私の母の幼い頃(昭和15~19年)の行動エリアがかなり重なることがわかって驚いています。 「粋な夜電波」でのその地域は、愛の玄人が闊歩する不夜城…ですが、母の一家は愛のド素人ぞろい。イメージが違…

日比谷で名取洋之助展

6月26日(火)まで日比谷図書館でやってます ▪️5月12日はトークショーに行きました。一番印象に残ったのは、戦時中に名取洋之助が手がけた豪華雑誌には「読者が見えない」という言葉です。一応「戦時中の対外宣伝用」いうことになっているけれど、海外の図書…

報道写真とデザインの父 名取洋之助

日比谷図書館で名取洋之助展をやっています。 明日12日(土)14時からトークイベントがあるので、行こうと思います。 (要事前予約。図書館に問い合わせたところ、当日でも入れるかも…とのことですが、予約した方が確実のようです。) 新しくなった日比谷図…

ピンとくる比喩

昭和40年に出た「からだの手帖」(高橋 長雄・講談社) 。チェロの好きな札幌のお医者様*1が、昭和38年から新聞に連載した健康コラムをまとめた本です。 軽妙洒脱な文章に、真鍋博のSFなイラストが添えられています。 が、からだの比喩が戦時中すぎて、未来…

布を編むように

絵のある自伝作者: 安野光雅出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2011/11メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 8回この商品を含むブログ (10件) を見るこの本で、絨毯爆撃は、本当に「編むよう」にすることを知りました。 一列に並んだ爆撃機が縦一列に焼夷弾…

洋風禁止

日比谷公園内のアーカイブカフェで売られている「日比谷公会堂想い出エピソード」*1。80歳前後の方が日比谷公会堂にまつわる文章を寄せています。 ほとんどの寄稿者が敗戦時にティーンエイジャー(又はそれ以下の年齢)なので、想い出話も「戦後」がメイン…

男装ティーム

『松竹歌劇の60年−レビューの舞台とスターたち』展という興味深い展示があることを教えていただきましたが、体調不良でなかなか都心に行けず……その前に少し予習を、と昭和初期の松竹少女歌劇の様子をアップしてみます。 「レヴューガール軍国的訓練」という…