獅子文六

獅子文六と「ご時勢の急変」をテーマにしたジンを作りました

BOOTH で販売中です!(その他、金沢のオヨヨ書林新竪町店でも取扱有り) ninshikibusoku.booth.pm 流行語の「認識不足」と、獅子文六 獅子文六がユーモア小説家としてブレイクした矢先に、世の中は戦争モードになりました。( 朝ドラ「エール」の古関裕而も…

非常時と、獅子文六「金色青春譜」

「金色青春譜」は、贅沢と非常時のミルフィーユ 獅子文六の長編デビュー作「金色青春譜」(昭和9)は、大金持ちの未亡人と、ケチな美男のラブコメディです。 カタカナの贅沢品がどっさり出てきて楽しい!2ダースのシャンパン。ニュー・グランドのフィレ・ド…

新興国 満洲へ

失恋したら満洲へ みんな大好き獅子文六「悦ちゃん」(昭11)から、悦ちゃんのパパ「碌さん」が失恋した時のシーンです。満洲行きは、当時の失恋あるあるだったのでしょうか。 実際、碌さんは、病人のようになった。(略)女に嫌われて、そんな反応を起こす…

「女給双面鏡」獅子文六

獅子文六「女給双面鏡」と出征 獅子文六の「女給双面鏡」(昭和13)は、「つるばら つるばら 」(大島弓子)を思わせる作品です。 主人公は、幼い頃から女の子に間違えられてきた色白内股の青年。彼はどの仕事もうまくいかず、キャフェの「女給」として働く…

獅子文六と「ス・フ」(ステープル・ファイバー)

獅子文六の「ス・フ」ネタ みんな大好き獅子文六。獅子文六がユーモア作家として人気が出たタイミングで、世の中は戦争モードになりました。なので、初期の作品中に「ス・フ」=ステープル・ファイバーがたびたび登場するんですよ。だいたい"ニセモノ・粗悪…

出来たての本願寺(獅子文六「浮世酒場」より)

出来立てホヤホヤの築地本願寺 獅子文六の「浮世酒場」(昭和10)は、酒場に集まった酔客が、東京ポッド許可局のように時事ネタしゃべりまくるスタイルの小説です。昭和10年の時事ネタなので、最新ニュースが"ハチ公の死"や"三原山心中"だったりするわけです…

焼きそばパーマの時代

戦争が終わると、パーマ 暮しの手帖やサザエさんまで なかには、まっすぐな髪の人も 戦争を生きのびた娘たち 結婚相手が戦死。風俗の逆転。 戦争が終わると、パーマ 敗戦間もない頃を舞台にしたドラマを見ると、すごくおとなしい髪型が多いようです。「昔の…

「団体旅行」(獅子文六)

獅子文六が描く戦時下の団体旅行 一応、時局に遠慮する 成金令嬢の苦悩 獅子文六が描く戦時下の団体旅行 獅子文六「団体旅行」(昭和14)(断髪女中 ──獅子文六短篇集 モダンガール篇 収録)は、戦時下の団体旅行を舞台にしたコメディです。(山崎まどかさん…

フラフラと大島へ(獅子文六「浮世酒場」を読んで)

昭和10年の時事ネタトーク 獅子文六の小説「浮世酒場」(昭和10)が、金色青春譜 ――獅子文六初期小説集 (ちくま文庫)に入るそうです!嬉しい!「浮世酒場」は酔った客が東京ポッド許可局のようにしゃべりまくるスタイルの作品です。すごく時事ネタが多いので…

生き残り大作戦

(参考画像:ホームライフ 昭和10年12月巻頭広告 コロムビア蓄音機と専属歌手の豆千代) 軍歌で一発、当てたけれど… 獅子文六の小説「東京温泉」(昭14)に、戦中に生き残りを模索するレコード会社の重役が登場します。彼の会社はたまたま軍歌が大ヒットした…

「暮しの手帖」の「浴衣を粋に着こなしたい」特集について

2020年夏、「暮しの手帖」に「浴衣を粋に着こなしたい」という特集がありました。このタイトルについて少し考えてみたいと思います。 現在、浴衣や着物については「粋が最終目標!」のような空気があります。しかし、かつては「粋」をとりまく事情が微妙に違…

関東大震災前の地図で、タイムトラベル

これは、大正7年(1918)の観光地図だそうです。 flickrより はじめ見たとき「ああ、これ、敗戦後に作られた進駐軍用のマップね」と思いました。しかし拡大してよく見ると「あれ、晴海がない!ん…?築地市場もない!勝どき橋もない…。?待って!これ関東大震…

お金持ちと、多摩川

私は学生時代の数年間、稲田堤〜登戸エリアの駅を利用していました。しかしどの駅も完全に通過地点。10代の女子の夢を何ひとつ満たしてくれない場所だったのです。 しかし、獅子文六の小説を読んでいたら稲田堤・稲田登戸エリアが"金持ちの別荘地から見える…

東京行進曲・モスコー行進曲

獅子文六の「浮世酒場」(昭和10年「新青年」連載)には、シベリア帰りの男が酒場で、クレムリンやモスコーでの経験を虚実とりまぜて話すシーンがあります。以下引用。 「非常時どころか、ジャズで踊って、ウオッカで更けて、明けりゃ闘士の涙雨という、モス…

道しるべとしての富士山

maraudersREVsmall pixel | mike skidmore | Flickr 獅子文六が、敗戦後、読売新聞の誘いで「平和号」という飛行機に乗った時のエッセイに、"道しるべ"としての富士山が出てきました。 じきに駿河湾。バカにならぬ景観である。富士山はどうしても、日本本土…

羽田空港と、角砂糖のような建物

獅子文六の「胡椒息子」(昭和12年8月〜13年9月「主婦の友」連載)に、富豪の家庭の少年少女が羽田空港に遊びに行くシーンがあります。羽田空港で「エア・タクシー」に乗り、「東京の空の散歩」をするつもりなのです。(話の展開上、「エア・タクシー」には…

ヒリヒリする「ユーモア小説」

久しぶりに、獅子文六の「南の風」を読み返しました。 南の風 (朝日文庫) 作者:獅子文六 発売日: 2018/06/07 メディア: 文庫 「南の風」の裏表紙に「幻のユーモア小説」とありますが、これ、新型コロナの時代に読みかえすと、けっこうキツい。以前は、フンフ…

獅子文六「虹の工場」

映画の「ピーターラビット」を食わずぎらいしていました。どうせ、可愛いウサギと、こぎれいな白人の映画だろと思っていたのです。見てみたら、こぎれいな白人の恋愛が、けっこうメタな感じで笑えた。「はははは、つかまえてごらんなさい」みたいな高橋留美…

国境の観光、鴨緑江節

▼これは昭和3年の「現代漫画大観・日本巡り」に出てくる朝鮮「新義州」のページ。昭和3年の本なので「日本巡り」に朝鮮・台湾・樺太などが出てくるのです。日本の名所として鶴ヶ岡八幡宮(鎌倉)と、ピョンヤン(朝鮮)が同じ本に紹介されている本‥。 解説の…

舞鶴とスクラム

自由学校 (ちくま文庫) 作者:文六, 獅子 発売日: 2016/06/08 メディア: 文庫 獅子文六の小説「自由学校」に「舞鶴でスクラムを組む」という文章が出てきま す。以下、引用。 とにかく、これで、一安心… シベリアで抑留されたわが子が、舞鶴でスクラムを組ん…

秘密

神奈川近代文学館で行われている没後50年獅子文六展に行ってきました。(読書家でない私が全集を持っているのは獅子文六だけなのです。) 展示で最初に思ったのは、〝横浜は、進駐軍で潤っていたことが秘密じゃないんだ?〟ということです。というのも、私の…

「青春怪談」(獅子文六)と、お墓

お墓で恋をはぐくむ 「青春怪談」(獅子文六) 獅子文六の「青春怪談」がちくま文庫から復刊されました。山崎まどかさんの熱い愛にあふれた解説が「ちくまweb」で読めます!その中で山崎さんは「青春怪談」の「胸がキュンなるようなロケーション」として向島…

観劇にうっとり

私は「観劇で陶酔する」ことに憧れている。 いままでそういう経験が全くないからである。 獅子文六の「写真」(獅子文六全集第11巻)という短編に70歳近くなって観劇の喜びを発見する女教員の話があって、それがとてもイイ。 独身で通した女教員は、明治…

慰問あれこれ

Christina Aguilera - Candyman (Edit) 日本の場合、戦地に慰問というと内海桂子師匠が満州に巡業☆的なイメージですが、アメリカは派手そうですね。 クリスティーナ・アギレラ「キャンディマン」は第2次大戦中の設定。メイクが戦時中の看護婦さん募集ポスタ…

海沿いの歓楽街

先日、江東区の中川船番所資料館に行きました。そこには江東区の面積がめまぐるしく増加する様子が展示されていました。内陸の市町村では見られない現象です。 江東区って江戸時代から埋め立てが続いているから、どんどん土地が増えていくんですよね。もとも…

船で千葉の海水浴場へ

これは昭和初期の千葉県の北條を描いた漫画(昭和3年・現代漫画大観「日本巡り」より)絵の解説によると、千葉県の北條には「一高(現在の東京大学教養学部)、高等師範、その他多数の学校の水泳合宿所が軒を並べて」おり、「霊岸島から船がつくと」先に合…

外皮を剥き捨てて、果物を味わう方法

獅子文六の「丸の内芝居見物」*1に、敗戦から数年たった頃の都心の劇場の様子が描かれていたので、ちょっと引用します。 (帝劇で文楽の人形浄瑠璃、日劇でエノケン一座、日劇小劇場では裸レビューを見物) エノケンと文楽は、「外皮を剥いて食うべき果物」…

得意なことを活かす

*1 ■かつて、「職域奉公」という言葉があったそうです。魚屋は魚屋で、役者は役者で、それぞれ、オクニのために職業に精を出す、みたいな意味らしい。 ■獅子文六の戦時中の小説に、職域奉公をテーマにした「売家」*2という作品があります。 主人公のお駒は、…

青春怪談

Romantic au go! go!さんのつぶやきで知った「青春怪談」(獅子文六 1955)を、観に行きました! 敗戦から9年目に新聞に連載され、翌年、映画化された作品です。 そんな時期にピカピカの電化製品が溢れかえっている宇津井健のお家(大きな病院の息子)は、当…

軍需産業とオミズ産業の持ちつ持たれつ

■立川のラブホテル街に、ほっこりしたお店が何軒かオープンしています。これは、また....。思いきった環境でのスタートです。 そのラブホテル街の付近は、かつて遊郭でした。それも意外と歴史の浅い遊郭です。 なんで歴史が浅いかというと、そのあたりは大正…

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