佐藤いぬこのブログ

戦争まわりのアレコレを見やすく紹介

獅子文六

フラフラと大島へ(獅子文六「浮世酒場」を読んで)

昭和10年の時事ネタトーク 獅子文六の小説「浮世酒場」(昭和10)が、金色青春譜 ――獅子文六初期小説集 (ちくま文庫)に入るそうです!嬉しい!「浮世酒場」は酔った客が東京ポッド許可局のようにしゃべりまくるスタイルの作品です。すごく時事ネタが多いので…

レコード会社の生き残り大作戦(獅子文六『東京温泉』)

軍歌で当てたレコード会社(獅子文六『東京温泉』) 獅子文六の小説『東京温泉』(昭14)には、戦時中のレコード会社が登場します。※この「東京温泉」は、戦後銀座に出来た「東京温泉」とは無関係です。 そのレコード会社は、たまたま軍歌が大ヒットしたとい…

「粋」の使い方(「暮しの手帖」の「浴衣を粋に着こなしたい」特集を見て)

「暮しの手帖」と“粋”な浴衣 2020年夏、「暮しの手帖」に「浴衣を粋に着こなしたい」という特集があって、一瞬「ん…?」となりました。今日は、「粋」の用法について考えてみたいと思います。 「色の道」と、粋 現在、浴衣や着物について「粋が目標!」のよ…

関東大震災前の地図で、タイムトラベル

大正7年(1918)の観光地図 これは、大正7年(1918)の観光地図だそうです。 flickrより 築地市場がないのに、万世橋はある地図 はじめ見たとき「ああ、敗戦後に作られた進駐軍用の観光マップね」と思いました。しかし拡大してよく見ると「あれ、晴海がない…

お金持ちと、多摩川

私は学生時代の数年間、稲田堤〜登戸エリアの駅を利用していました。しかしどの駅も完全に通過地点。10代の女子の夢を何ひとつ満たしてくれない場所だったのです。 しかし、獅子文六の小説を読んでいたら稲田堤・稲田登戸エリアが"金持ちの別荘地から見える…

東京行進曲・モスコー行進曲

獅子文六の「浮世酒場」(昭和10年「新青年」連載)には、シベリア帰りの男が酒場で、クレムリンやモスコーでの経験を虚実とりまぜて話すシーンがあります。以下引用。 「非常時どころか、ジャズで踊って、ウオッカで更けて、明けりゃ闘士の涙雨という、モス…

道しるべとしての富士山

maraudersREVsmall pixel | mike skidmore | Flickr 獅子文六が、敗戦後、読売新聞の誘いで「平和号」という飛行機に乗った時のエッセイに、"道しるべ"としての富士山が出てきました。 じきに駿河湾。バカにならぬ景観である。富士山はどうしても、日本本土…

羽田空港と、半円形のサンルーム(獅子文六「胡椒息子」)

獅子文六『胡椒息子』に登場する羽田空港と、半円形のサンルーム “ヘリコプターで東京遊覧”ってバブリーな響きがありますが、獅子文六の『胡椒息子』(昭和13)には、金持ちの子供が「エア・タクシー」に乗って「東京の空の散歩」をこころみる場面があるんで…

ヒリヒリする「ユーモア小説」

久しぶりに、獅子文六の「南の風」を読み返しました。 南の風 (朝日文庫) 作者:獅子文六 発売日: 2018/06/07 メディア: 文庫 「南の風」の裏表紙に「幻のユーモア小説」とありますが、これ、新型コロナの時代に読みかえすと、けっこうキツい。以前は、フンフ…

獅子文六「虹の工場」

獅子文六『虹の工場』を映画化するなら、主役はピーターラビットの「トーマス・マクレガー」さんで 映画「ピーターラビット」を食わずぎらいしていました。どうせ可愛いウサギとこぎれいな白人の映画でしょ?と思っていたのです。しかし見てみたら、こぎれい…

国境の観光、鴨緑江節

▼これは昭和3年の「現代漫画大観・日本巡り」に出てくる朝鮮「新義州」のページ。昭和3年の本なので「日本巡り」に朝鮮・台湾・樺太などが出てくるのです。日本の名所として鶴ヶ岡八幡宮(鎌倉)と、ピョンヤン(朝鮮)が同じ本に紹介されている本‥。 解説の…

舞鶴とスクラム

自由学校 (ちくま文庫) 作者:文六, 獅子 発売日: 2016/06/08 メディア: 文庫 獅子文六の小説「自由学校」に「舞鶴でスクラムを組む」という文章が出てきま す。以下、引用。 とにかく、これで、一安心… シベリアで抑留されたわが子が、舞鶴でスクラムを組ん…

秘密

神奈川近代文学館で行われている没後50年獅子文六展に行ってきました。(読書家でない私が全集を持っているのは獅子文六だけなのです。) 展示で最初に思ったのは、〝横浜は、進駐軍で潤っていたことが秘密じゃないんだ?〟ということです。というのも、私の…

獅子文六『青春怪談』の時代

お墓で恋をはぐくむ 「青春怪談」(獅子文六) 獅子文六の『青春怪談』(昭和29)が、ちくま文庫から復刊されました。山崎まどかさんの熱い愛にあふれた解説が「ちくまweb」で読めます。その中で山崎さんは「青春怪談」の「胸がキュンなるようなロケーション…

観劇にうっとり

私は「観劇で陶酔する」ことに憧れている。 いままでそういう経験が全くないからである。 獅子文六の「写真」(獅子文六全集第11巻)という短編に70歳近くなって観劇の喜びを発見する女教員の話があって、それがとてもイイ。 独身で通した女教員は、明治…

慰問あれこれ

Christina Aguilera - Candyman (Edit) 日本の場合、戦地に慰問というと内海桂子師匠が満州に巡業☆的なイメージですが、アメリカは派手そうですね。 クリスティーナ・アギレラ「キャンディマン」は第2次大戦中の設定。メイクが戦時中の看護婦さん募集ポスタ…

海沿いの歓楽街

先日、江東区の中川船番所資料館に行きました。そこには江東区の面積がめまぐるしく増加する様子が展示されていました。内陸の市町村では見られない現象です。 江東区って江戸時代から埋め立てが続いているから、どんどん土地が増えていくんですよね。もとも…

船で千葉の海水浴場へ

これは昭和初期の千葉県の北條を描いた漫画(昭和3年・現代漫画大観「日本巡り」より)絵の解説によると、千葉県の北條には「一高(現在の東京大学教養学部)、高等師範、その他多数の学校の水泳合宿所が軒を並べて」おり、「霊岸島から船がつくと」先に合…

「裸レビュー・人形浄瑠璃・エノケン」を1日でまわる獅子文六

獅子文六の「丸の内芝居見物」(『へなへな随筆』1952年)に、敗戦から数年後の劇場レポートがありました。すこし長くなりますが引用します。1日で、3カ所をまわる盛りだくさんなコース!ただ、②と③は、同じ建物内(日劇)内を移動しています。①帝劇で人形浄…

得意なことを活かす

*1 ■かつて、「職域奉公」という言葉があったそうです。魚屋は魚屋で、役者は役者で、それぞれ、オクニのために職業に精を出す、みたいな意味らしい。 ■獅子文六の戦時中の小説に、職域奉公をテーマにした「売家」*2という作品があります。 主人公のお駒は、…

青春怪談

Romantic au go! go!さんのつぶやきで知った「青春怪談」(獅子文六 1955)を、観に行きました! 敗戦から9年目に新聞に連載され、翌年、映画化された作品です。 そんな時期にピカピカの電化製品が溢れかえっている宇津井健のお家(大きな病院の息子)は、当…

軍需産業とオミズ産業の持ちつ持たれつ

■立川のラブホテル街に、ほっこりしたお店が何軒かオープンしています。これは、また....。思いきった環境でのスタートです。 そのラブホテル街の付近は、かつて遊郭でした。それも意外と歴史の浅い遊郭です。 なんで歴史が浅いかというと、そのあたりは大正…

美人薄命と、洋装

「但馬太郎治伝 (講談社文芸文庫)」 戦前のパリで、東洋の貴公子(堂々とした美男でプレイボーイ)が、想像を絶するゼイタクをする話です。モデルは薩摩治郎八。 私が気になったのは、そんな東洋の貴公子の妻=マダム但馬の一生でした。 モッサリした華族の令…

電気毛布で鼻血

闘士型、肥満型の昭和のオジサンの中にも、足が冷えて寝られないタイプの人がいるのをご存知ですか?その“足の冷たいオジサン”とは、巨万の富を築いた相場師、佐藤和三郎。獅子文六の小説『大番』のギューちゃんのモデルになった人物です。 ▽映画化もされて…

カフェ

都心で適当に入ってしまったカフェがちょっと怖かった 夜の業種…が片手間にやっているのでしょうか…ほっこりしたカフェごはん ・・・を、Vシネ風の兄さん達がお給仕(指先をビシっと揃え、口角を無理に上げ)してくれるのです。 キラキラしたトイレの脇には…

四谷のドンボスコ、夏の応接室

■四谷のドンボスコ(メダイユやピンバッチ等をギッシリ売っているお店)に行ってみたら、お店の中を涼しい風が吹き抜けていました。見れば表のドアと裏のドアが開け放されていて、通路状のお店に、ググーンと空気の通り道が出来ている。 21世紀、たいして暑…

 伊勢丹の、超特濃シチュウ

これは焼け野原の新宿。左が三越で、右が伊勢丹なんですって!ひー。絶版らしきこの本asin:4163382305からスキャンしました。 (こちらのサイトに非常に詳しい解説があります。) ところで。敗戦直後、伊勢丹が関わっているような、関わっていないような、も…

軍需工場熟練工のリッチな花見

*花見への交通手段は、電車なんか使わない!8家族が貸し切りバスで移動。*花見に参加する子供達はおろし立てのセーラー服に金ボタン。母親達は、錦紗やジョーゼット。*花見のBGMは、ポータブルプレイヤーにレコードをかけて。*お花見の弁当の中身は、サ…

 とんでもハップン

■画像は、昭和25年の朝日に掲載された4コマ。今どきの軽薄な若者(やたらにカタカナを羅列)とは会話が成立しないので、“サ○エ、ひとつ通訳を頼むよ”というわけ。 同じ昭和25年、朝日新聞に連載された「自由学校」にも、「とんでもハップン!」「チャージさ…

 東海汽船と林芙美子

■「東京湾納涼船」の、東海汽船創業は明治22年、はじめは「東京湾汽船」という名称で、現在の東京都中央区新川(霊岸島)の会社だったそうです。行き先は、三崎、木更津、千葉、館山、伊豆など。以下、ちょっとレトロなネタを見つけたので、メモします♪■獅子…

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