佐藤いぬこのブログ

戦争まわりのアレコレを見やすく紹介

終戦から10年

不安とキモノ  その1

■10年ほど前、着物のサイトを作っていた私ですが、いつの間にかブログが敗戦直後カテゴリーだらけになっています。 「キモノのしきたり」に、すごく疑問を持っていたら、自然と敗戦直後が気になるようになってしまったんですよ。不思議ですね! ■さて〜「き…

お隣さんを探す

知り合いの方のツイートに 「自国のヤバい事知りたかったら、自国の隣の隣くらいの国の報道をあたると良い」みたいなこと言ってたの誰だったっけ… とありました。 これと、ちょっぴり似たことを実感したことがあります。 私の住むT市の過去(U.S. Air Force…

芸者district(芸者地区?)

district9は、第9地区。芸者districtは芸者地区? 昭和21年、「Geisha district」と進駐軍です。 奥の戸の上に、白いペンキで「VD OFF LIMITS」と書かれています。(VD=venereal disease=性病) 拡大すると写真手前にも「OFF LIMITS」(立ち入り禁止)の文字…

美しい着物と少女たち【カラー写真】、だけど。

とっても鮮やかな着物と、沖縄のガールズ(Oki Girls) だけど、だけど、だけど。 背景に進駐軍のカマボコ型建物。 敗戦間もない時代、この華やいだ大量の着物は、一体どこから…… 小沢昭一の本に、敗戦直後、ある特殊な「目的」のためにつくられた団体が、東…

銀座と、売○

吉田豪さんのポッドキャスト/穂積隆信(積木くずしパパ)の回は、朝鮮戦争当時の有楽町・銀座あたりの話がサラッと出てきます。www.nicovideo.jp7分27秒あたりから。 要約してみますね。 朝鮮戦争の頃、穂積隆信氏は進駐軍の将校倶楽部でボーイをしていた。 …

聖地の光と影

私の近所の町は、人気マンガの舞台になっています。 イエスとブッダ・・・・「聖人男子」2人が活躍する、ほのぼの漫画です。 町の書店には等身大の看板に“お求めはぜひ、「聖地」で!”みたいに書かれているし、公共施設のイラストマップにも“聖人男子2人が遊…

すてきな上書き

■アニメ会の『ヲタめし!』で、“アニメは青春の上書き。本当の青春の記憶は消去。クシャッ!と完全に消去。”というようなことが語られていました。 ■昭和にヒットした様々な歌や小説も、日本の辛かった過去を鮮やかに上書きしてくれたんじゃないかなー。 思…

女性たち

焼け野原の貧し〜い国に、純白の制服もまぶしい・ピチピチに栄養状態の良い・お小遣いをいっぱい*1持った♂の群れがあらわれた日にゃあ… 横浜。(吉村昭氏は兵士のプリプリしたお尻を見て、進駐軍の豊かな栄養事情を思い知らされたそうです。当時の日本男性は…

文教の森ガール

■近所の町Kのマンション広告は、いつも気恥ずかしいほど美しい街並みを強調してきます。有名大学構内に広がる「森」の緑を強調したこういう広告とか。 しかしK町のこの大学構内の「森」では、敗戦間もない頃、ある種の“ガール”達(pan pan girls・兵士相手の…

裸と、ネクタイと。

お台場の半裸少年達。*1「浮浪児は、モク拾いやクツ磨きで生活していた。“狩り込み”で収容施設に入れても脱走者が多かった」(昭和20年頃) で、上の写真の少年達が10歳前後として……下は彼らが30歳男子となる頃のメンズクラブ/昭和42年。差が大きすぎー。な…

お上品を勝ち取る(国立市の場合)

画像は、「まちづくり奮戦記」より とっても、とっても、上品な学園都市、東京都国立市。しかし文教地区のこの街にも、かつてはパンパンと米兵のためのホテルや酒場がありました。(この辺の事情は、国立市が出してる「まちづくり奮戦記」にしっかり書かれて…

ストレートヘアーへの憧れ

町山さんのTBSラジオ「キラ★キラ」、クリス・ロック監督主演のドキュメンタリー映画「グッド・ヘアー」。 アフリカ系アメリカ女性のストレート・ヘアーの背後に、大きなお金が動いている様子など。 ■敗戦後の日本にも、縮れ毛で悩む人たちがいました。「…

銀座のお風呂「東京温泉」

▽このページは2010年のものです。 2020年に詳しく加筆したこちらをご覧ください narasige.hatenablog.com 「お洒落な銀座」の歴史紹介に、まず出てこないタイプのお風呂画像です。場所は銀座6丁目。松坂屋の裏手あたり。(1951年のLIFEの写真ですが、LIFEの…

ニベアフォーMENですか

シェーブクリームのおかげで、すべすべのボク。婦人部隊(WAC)のお姉さまに頬ずりしてもらった……的な広告でしょうか。 なんとも言えないのは、この広告が、昭和20年(1945)の10月のOur Navyという雑誌に掲載されているという点です(;´д` ) 余裕のゆう…

カタカナご飯

松本隆の「微熱少年」。1960年代の都会の青春。 「固いフランス・パンを四つに割ってかじりながら、簡単なディナーにした。」 「浅井は、チョコレート・シェイクとハンバーグ・ステーキを、ぼくはルート・ビアーとペッパー・ステーキを注文した。」 このよう…

うなじゼロ着物

着物といえば、う・な・じ。というイメージがありますが、 こちらはキッチキチの襟元を、さらにパーマの髪で覆って、うなじ露出ゼロ。 (「暮らしの手帖を通してみた戦後の3年間 なんにもなかったあの頃」*1より) ↓こういうむちゃくちゃな時代の中で、アタ…

ローラ・インガルスの声

斉藤美奈子氏の本に、大草原の小さな家のローラ(メリッサ・ギルバート)の英語の声は意外に低い、など、日本語吹き替え全般が可愛すぎる件が出ていました。 これは、‘ローラの声は実は低かった’を思わせる写真*1です。着物=木村多江、ではない、という現実…

テームス河とシネパトス

flickrで正体不明の「水の都」を見付けたので、知人の70代女性(中央区生まれ・銀座勤め)に聞いてみました。判明したのは、以下の通り。 左の円形の建物が現在のマリオンの一角(ピカデリー/邦楽座) 川が、西銀座デパート&高速道路 道路は、外堀通り 右の…

埋まりゆく教文館

銀座・教文館は、建物の性質上、世間とは別の時間が流れているような気がしていたけれど… 1.敗戦直後の銀座4丁目。写真の中央で壁がぺろっと見えているビルが教文館で、写真手前はお馴染み和光です*1。この時、道路をはさんだ三越は空襲で黒コゲ。 2.その後…

 数寄屋橋付近

この写真は、たぶん数寄屋橋の交差点なんです。【拡大画像】 横文字標識の、「Z AVE」 が晴海通りで、「5TH ST」*1が外堀通りなので、これが交差するのは数寄屋橋交差点かと。 着物は鮮やかだし、女の子の頬は丸いし、戦争は終わった、めでたしめでたし!に…

ふくよか万歳。EXPO'70エプロン。

太ることが出来て、本当に、よかったですね……「小さな引揚者」(1970年の写真集「在外邦人引揚の記録」*1より。) 読売にのった1枚の写真がきっかけで、少女のその後の消息がわかったというもの。彼女は、満州の荒野を1人で日本に帰ってきたそうです。(道中…

カフェでショコラ

三島由紀夫の、敗戦後3年目位を舞台にした小説を読んでみる。上流階級の人らが恋してる話。 でも、小説からは敗戦間もない頃の日本が、まったく、見えてこないのでした*1。ちょうど25世紀の人が、図書館で21世紀のクウネルや天然生活をめくっても、汐留シオ…

【オススメ!極彩色】お洒落の爆発

戦時中に押さえつけられていたエネルギーが炸裂?【Flickr より。171枚】 敗戦間もない日本。きっついパーマと、戦前着物の組み合わせ。やっちまったなー*1 (着物とクルクルパーマの組み合わせは、こちらのサイトにもあります。Women of the Night) ふつう…

イギリスの食パンコマーシャル

短い時間にイギリスの歴史(第二次大戦とかミニスカートとか)がギュッと詰め込まれているパンのCFだそうです。まるで映画のよう。 戦争による瓦礫の山とか、オバサンとお婆さんが疎開(?)しているシーンなどもある。 日本だと、この内容で食パンのコマー…

セレブの扇風機・夏のブーツ

前も書いたけれど、 (id:NARASIGE:20080704)三島由紀夫「恋の都」(1954)のセレブなヒロイン……彼女のゴージャスな生活を象徴する小道具として、「なめらかにまわる扇風機」が登場します。 これを読んだ時、「扇風機くらいで、そんな威張られてもねぇ・・…

 キモノと時間の逆まわし

上の写真から、約60年前、50年前、40年前、30年前です。 時々、昔の写真の方がSFっぽいというか007っぽい場合がある。このまま敵の潜水艦に忍びこんで、ひと暴れしそうな… ↓約60年前。1940年代。マッカーサー司令部前で。(日比谷の第一生命ビル) ↓約50年前…

いろいろな世代で共有

lilmagで、「戦中よっち」を買いました。あとがきに、「だんだんと戦中のことを知っている人も減ってきましたが、こういうことをいろいろな世代で共有するのは、例えば一家が離れ離れの場所で大地震にあった時、どこに集まるかきめておくのと同じくらい大事…

ファンシーと、戦争

阿佐ヶ谷の「よるのひるね」で読んだこの本に、田村セツコさんが敗戦時の思い出を描いていらっしゃって予想外の衝撃を受けた。(1938年生まれなので、敗戦の時7才くらい?) あのキュートな絵で戦争のことが描かれていると、すごくビックリします。 ファンシ…

オススメ♪超鮮やか!北海道の写真

終戦から8年頃、U.S.ア〜ミ〜の人が撮影した鮮やかすぎる千歳の写真の数々です。 ↓毛のついた防寒下駄がどっさり。【拡大画像】 ↓ストリートエンターテイナーさん。これを見た時あまり色がキレイなのでいつの時代のものか一瞬わからなかった。でも昭和28年く…

 これが銀座?

まったく華やぎのない銀座交差点。さびれている……【拡大画像】 角の三越は工事中みたいな雰囲気だし、人々の服装もゆるい。戦前のハイカラにキメた銀座との落差が〜〜 でも三越の向かいには教文館(壁面にLIFEの文字あり)があるから、たしかに銀座なんです…

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