高輪の啓祐堂が出している「日本のミサイル開発の原点」。
もう当分、高輪に行くこともないだろうと、記念に買ってみました。第二次大戦中、大急ぎで開発したけど結局ギリギリで間に合わなかったミサイルの本です。
もし「古い軍事施設萌え」…みたいな本だったらイヤだなあと思っていましたが、違いました。
開発にたずさわった技術者本人が、80代になってから回想した文章なので、はからずも「無人島に生きる16人」(新潮文庫)に通じるのんびりムードが漂っているのです。(当時の状況は、超過酷でシリアスなのに)
……………
*ミサイル研究を視察にきた高松宮殿下は
「杉本君、急がないとアメリカ軍が来てしまうよ」とはっぱをかけ、
*海軍大将は
「日本帝国は大きな国だ、直ぐには負けないよ。
くよくよせずに、ゆっくりやりたまえ」と、逆のことを言い
*優秀な技術大尉は
「もうミサイル開発は間に合わないから、
特攻機に乗って散華したい!」と、思いつめちゃって…。
当時の混乱ぶりが伝わってくるようです。