■大正生まれの人に、浴衣の色落ちの話を聞きました。敗戦からしばらくの間、浴衣は、もう、色が落ちて落ちて白い帯が出来なかったものもあったそうです。(帯が青く染まってしまうから)
そのうちだんだん品質がよくなって、色落ちもなくなったとのこと。
■服の質の変化といえば、吉行あぐりさんの本に、吉行理恵が生まれた頃から戦争の色は濃くなってきたというのがあって、
お姉ちゃんの吉行和子(1935・昭和10年生?)は、幼い頃、絹の着物を着せることができたのに、妹の理恵の時代はスフ*1 の着物になってしまって、あーたいへんな世の中になったぞ、とかそういう話。
ちなみに、和子さんと理恵さんは4.5歳しか違いません。
この、わずかな時間差で、服の品質が変化(良くなったり、悪くなったり、また良くなったり…)するっていうのが、すごいな。
(画像は、幻の万博1940*2 のポスタア。そういう品質の服を赤ちゃんが着る時代に、大きな万博を開こうって、そりゃあ、むずかしいでしょう)
*1:ステープル・ファイバー。1938年(昭和13年)には「ステープル・ファイバー等混用規則」により人造繊維の混用強制が実施され純綿製品の製造は禁止されたそうです。 http://oohara.mt.tama.hosei.ac.jp/rn/senji1/rnsenji1-153.html