前も書いたけれど、 (id:NARASIGE:20080704)三島由紀夫「恋の都」(1954)のセレブなヒロイン……彼女のゴージャスな生活を象徴する小道具として、「なめらかにまわる扇風機」が登場します。
これを読んだ時、「扇風機くらいで、そんな威張られてもねぇ・・・。“なめらかに”回るあたりが高品質=セレブ、なのかな?」と思ったけれど、先日、同時代(1956年)の雑誌を見てちょっと納得。
50年前以上前に26.000円ですよ!!表紙の説明には「東芝が誇る家庭電化器具。」とあります。*1
(だいたい、扇風機が華々しく女優と表紙を飾るって今はないですよね。)
扇風機でさえ、この丁重な扱いです。冷房のある場所が、どれだけ限られていたことか。
この時代は「8月のブーツって、どうなんでしょう?」の話題は成り立たない。
首の全方向回転(エクソシスト)なみに、成り立たない。
*1:その後、どんどんお求めやすい価格になったと思うけれど