「きもののすべて」(昭和40年)は、敗戦前後の空白の10年に着物の知識をすっかり失ってしまった日本女性、着物に不安を抱く昭和40年の母娘に向けた本です。挿絵はいわさきちひろ。
しかし大正7年生のいわさきちひろさんは、シロウトさん風と、クロウトさん風を自然に描きわけるなあ。
■さてさて。
【母から娘へ受け継がれるはずのキモノ知識を失ってしまった】→【すごく不安】→【そうだ、芸者の佳○乃さんに着物について聞こうッ!】と、なってしまいがちな21世紀ですが、シロウトさんはシロウトさんならではの良さもあるというわけで。以下明治生まれのシロウト女性の言葉を引用します。
そのへんの奥さんは、1人の人に好かれればいいんだから。ご主人が野暮ったいのが好きっていうなら、別 に野暮ったくていいんですよ。