基地の町と、ヨガ

いま、ヨガはとってもお洒落な印象ですが、昭和の時代のヨガというとこの方が有名だったようです。


著者は大変な虚弱体質でしたが、ヨガをすることで苦しみから解放された人。彼女が、“ヨガの人”になる前は、小説家でした。昭和28年の芥川賞候補にもなっていたのです。

第30回芥川賞候補(昭和28年/1953年下期)「オンリー達」の題材は、東京郊外の立川基地周辺の米兵と日本女性(パン○ン)です。(私はこの小説の存在を土地のお年寄りからうかがいました。作者も基地のそばに住んでいたとのことです。)


敗戦から数年後、「老嬢」が立川基地周辺の家を貸して下宿を営むというおはなしで、下宿するのは米兵とパン○ン。日本女性が街に立っていると取り締まられてしまうので、即席の愛人になる必要があったからです。


下宿の描写は、非常にリアルというか、等身大というか、「大家さんは見ていた!」的な、語り口なんですよね。


新米大家さんである「老嬢」も、さまざまな皮算用をしてから下宿をスタートさせています。米兵に部屋を貸すことによって、大家への付け届けがあるかも(アメリカのお酒やお菓子がどっさり)…英語が身につくかも…ボーイフレンドが出来ちゃうかも…、など。


立川基地のペイデイに、街をあげてのお祭りさわぎになる様子も、あからさまに描かれています。(朝鮮戦争帰りの米兵の金遣いは、凄まじいから


当時、基地周辺では、様々な事情からこのような「下宿」を営むお家が少なくなかったようです。その手の「下宿」やホテルが増えたため、住民運動が起こって、文教地区になってしまった街もあります。


えー、そんな下宿がいっぱいあった時代なんて信じられない、と思う方は「ボッチチェリの扉」(森茉莉)を思い出してみてください。下宿人が微妙でしたよね?。一家は、米兵からの贈り物で豊かな生活を送っていましたよね。団さんは、同じ下宿の女性に貸したクリイムを病気を恐れてえぐり取ってましたよね…。(ただ、パン○ンにあたる女性がすでにハーフというのは森茉莉特有の ファンタジーかと。)