■近所のT市では、不動産屋のお年寄りの英語の発音が、すごくアメリカ風なのだそうです。(なぜ不動産屋のお年寄りが英語を話せるのかという経緯は、こちらをご覧ください。)
敗戦後、基地に依存した大歓楽街として発展したT市。
先日、初老のバイリンガル男性の話を書きましたが、その人もT市出身。常に周囲の人々と激しいバトルをしているせいか、仕事(英語の先生‥?)が無い様子でした。
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■T市独特の英語は、超有名な推理小説で殺人事件解決の糸口としても使われました。
北陸地方で、独特の英語を話していた日本女性が、その話しぶりからT市の歓楽街で働いていた過去をあばかれてしまうという筋書きです。
その推理小説は2009年に人気女優の競演で映画化されましたが、T市の書店は原作にポップが立ちませんでした。
■ところが、最近は昭和のT市の光景を写した写真集が書店に山積みされています。
はじめ、「え、写真集?今まで町の過去を “無かったこと” にしてきたのに?」と驚いた。
(それまで、大型書店の「わたしたちの町の歴史コーナー」には、基地に迷惑をかけられた気の毒な市民達‥‥‥という本だけがありました)
しかし写真集の中を見てみると、街は、“古き良き、お洒落な国際都市”という扱いになっているのでした。ほっこりコーティングが施されているのです。そして林立する横文字看板のバーの写真には、“ミッドセンチュリーなデザイン!憧れてしまうなあ” といった感じの文章が添えられているのでした。‥‥‥