神奈川近代文学館で行われている没後50年獅子文六展に行ってきました。(読書家でない私が全集を持っているのは獅子文六だけなのです。)
展示で最初に思ったのは、〝横浜は、進駐軍で潤っていたことが秘密じゃないんだ?〟ということです。というのも、私の近所の街は米軍の飛行場でおおいに潤ったけど、今でも街全体が〝ソレは言わない約束でしょ?〟になってるから。21世紀になっても、まだ全然時効じゃない…っていうか、無かったことにされています。その頃の様子を描いた映画もありますが、公開当時、近所の街の大型書店では、原作本(作者は超有名)に、ポップは立ちませんでした。
なので、15、6年前に横浜の公共施設で行われていた「横浜にゆかりのある小説家」的なイベントに獅子文六がまったく見当たらなかった理由を「あぁ、獅子文六は敗戦直後の横浜のアレコレを小説の題材にしたから、展示に無いのかなぁ…」と、近所の街と照らし合わせて早合点していました。
そうしたら、今年はまさに獅子文六が横浜のアレコレを書いた小説が復刊されるとか。没後50年獅子文六展のパネルにも、その小説の中から〝横浜って、多少の差はあれ皆、進駐軍の恩恵を受けてたよね〜〟的な文章が抜粋されていました。(それと対照的に「海軍」「海軍随筆」の展示コーナーは、アッサリしていましたが)