佐藤いぬこのブログ

戦争まわりのアレコレを見やすく紹介

「五代くんのおばあちゃん」的な、印象に残りにくい着物姿

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風景に溶け込みすぎる「五代くんのおばあちゃん」の着物姿

あまりにも日常すぎて、わざわざ記録に残さないことってありませんか。例えば2021年なら、“ホームセンターにいるTシャツ短パン姿の人”の記録とかね。(もしかしらら令和の今和次郎が、せっせと記録しているかもしれませんが。)

昭和のおばあちゃんの着物姿も、かつては当たり前すぎて見過ごされてきたものので1つではないでしょうか。漫画『めぞん一刻』の「五代くんのおばあちゃん」のような、地味な着物姿です。今も昔もよほどの理由がない限り、おばあちゃん単体をわざわざ写真には撮らなかったはず。

しかし、外国人にとって日本の老婦人の装いは異国情緒に満ちていたようです。今日は外国人が1970年前後に撮影した写真から「五代くんのおばあちゃん」的な着物姿を紹介しましょう。

▽本人と着物が完全に一体化している「五代くんのおばあちゃん」。

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引用元:『めぞん一刻小学館文庫4巻208ページ

だいたいワントーンコーデ

Tokyo 1979 そっくりな二人。双子?Ladies w/Socks - Tokyo 1979

▽私の祖母(明治生まれ)も、ほぼこんなかっこうで、同じように謎のギャザーが入ったバッグを持っていた。整髪は「丹頂チック」(マンダムの前身)を使ってましたね。

07-176

1972

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ube, japan, 1972

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足元は、色付き足袋+軽そうな草履

知人の明治生まれのお母様はもともと高価な草履を好んでいたそうですが、年をとってからは重く感じるように。「温泉街で売っている安くて軽い草履ばかりを履くようになりました」とのこと。以下に紹介する草履もすごく軽そうです。

kyushu, japan, 1972

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kyushu, japan, 1972 上の写真と同一人物かと思ってしまいますが、違う方のようです。

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1960年代末

Grandma Okubo with Puri

上の写真の方のワンピース姿。(左から二番目)。襟元が着物っぽい。

東京都南青山

団体旅行も着物で

kyushu, japan, 1972 tour group, nagasaki peace park 団体旅行も、当たり前のように着物で参加。

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1949-1950。上の写真のさらに20年前の団体旅行。着物の中年軍団。

Japan 1949-1950

そのほかの着物姿

tokyo, japan1972 

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tokyo, japan 1972

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1972

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1972

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1967 着物姿じゃないけど。海人さんです。「007は2度死ぬ」に出てほしい。

Ama diver

おばあさんが若かった頃は戦時中

以上、昭和の「印象に残らない着物姿」を、主に1970年前後からご紹介しました。いかがでしたか。

もちろん彼女たちは、もとから「おばあさん」だったわけではありません。30〜40年前はみずみずしかったわけでして。そして、その時期はちょうど戦中戦後。エグい苦労した方も多いでしょう。昭和の写真を見ると、「古きよき時代のおバアちゃま」とふんわり美化しそうになりますが、いちいち彼女らの過去に想いをはせていきたいもんですね。

【参考画像】1939(昭和14)の漫画。日中戦争が長引き、さらに欧州大戦がはじまった時期です。(ちなみに同時期の漫画に登場するお母さん像は、ほぼ全員着物とかっぽう着。夏のみアッパッパという簡易ワンピースを着用してます)

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昭和14年(1939)11月新潮社「日の出」

▽おばあちゃんの割烹着姿はこちらを!想像以上の重労働がめじろ押し。

narasige.hatenablog.com

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