勝者から見た太平洋の地図
終戦直後のアメリカの雑誌を見ていたら、すごく勝者目線の広告がありました。
「どうです、戦時中の我が社の活躍ぶりは?」といわんばかりの広告なんですよ(LIFE 1945年8月27日号)。ウェスタン・エレクトリック社という電気機器の会社で、今は「ノキア」が引きついでいるらしい。
▽とってもわかりやすい地図。ミッドウェイ、ガダルカナル、サイパン、硫黄島、そして東京…。東京が、すごろくの「上がり」みたいになってる💦
▽一部拡大。“TOKYOを爆撃するときも、我が社のデバイスがお役に立ちました”的な。
戦勝ムードあふれる誌面(LIFE 1945年8月27日号)
ちなみに同じ号の誌面はお祝いムード。
▽「8月14日午後7時」、大統領が日本の降伏を発表。文中、何回も出てくる「Jap」…。
▽さらに同じ号(LIFE 1945年8月27日)の広告がコレ。繰り返しますが、終戦の年の8月ですよ。そりゃ負けますよね。
日本目線の見た太平洋
一方、上記の地図の2年半ほど前には、日本の雑誌にだって勇ましい地図が載っていました(「婦人画報」1942年12月号)。“われわれは、米英の包囲をバラバラにしてやったぞ”を「鎖」がちぎれるイラストで表現。敗戦に向かって日本の雑誌はどんどんみずぼらしくなっていきますが、この号はカラー頁。日米開戦1周年の気合いを感じます。
敵の第一次・包囲陣営はここにバラバラに粉砕されたのだ。(略)敵は常に反撃を狙っているのだ!
▽鬼畜米英の時代については、こちらを。
千鳥ヶ淵でお花見する方へ
以上、何ともいえん気持ちになる“勝者目線の地図”でした。
さて話はかわりますが、これからお花見のシーズンです。
桜といえば、千鳥ヶ淵。
千鳥ヶ淵といえば「千鳥ヶ淵戦没者記念墓苑」。 ご存じのとおり海外で亡くなった戦没者の遺骨を納めた墓苑です。今年のお花見には、ぜひ今回紹介した地図も思い浮かべてみてくださいね。