
ナフサ不足で、食品の包装が影響を受けているというニュースを見かけます。
それで思い出したのが、昭和30年代の婦人雑誌に載っていたアイデア商品。
《買い物どきの盲点をついた新製品》と誇らしげに紹介されていた、買い物かごに取り付ける防水グッズです。

忙しく買い物をしていると、つい、なま魚の包みとけずりぶしを買い物籠に同居させてしまい「湿っちゃって使えないわ」ということになります。
豆腐を買って持ち帰る時など苦心惨憺です。この「お惣菜バッグ」はこうした買い物どきの盲点を考えて作られた新製品。塩化ビニール製の袋です。
買い物に出かけるときなどは折りたたんで買い物籠に入れておき、帰りは写真のように針金の手を買い物籠にかけて(内側でも良い)、他の品物と区別して持ち運びすると言う仕組みです。買い物籠を一方の手に、もう一方にぬれものを持って、さて、連れてきた子どもは…などという奥様は、ぜひどうぞ。70円。
──「湿っちゃって使えないわ」
昔は水気のある食品が混ざって、買い物カゴが湿っているのが当たり前だったのか…
たまに高級スーパーに行くと、豆腐パックの上から、さらにビニール袋で包んでくれて、ありがたいような申し訳ないような気持ちになります。
しかし、そのスーパーのお客さまはかなり高齢の方が多い。つまり、買い物かごが湿っていた時代を生きてきた人たちです。意外と、そこまで厳重に包まなくてもいいのかもしれませんね。
▽さらにさかのぼると、森茉莉がどこかに書いていたように、《お刺身の方から歩いてくる》時代でした。皿だけ持って買えばいいスタイルで、食品トレイもレジ袋もエコバッグも不要。

今回のナフサ不足をきっかけに、“古き良き日本を見直そう!”みたいな機運が高まるかもしれません。
でも、昔がいいことばかりだったわけでもない。買い物かごが湿っていた時代は、けっこうワイルドだし、汲み取りトイレとセットです。
昔を振り返るのはいいけれど、美化のしすぎにはご用心、ご用心!
▽【参考】昭和26年の新宿。肥桶が積まれています。背景の「高級洋装店」との対比がすごい。
