これは、不穏で大好きな写真です!UR 都市機構より
荒涼とした風景と着物の組み合わせが、「ウルトラセブン」の第四惑星の悪夢みたい。
団地の側面に15って書いてありますよね。この晴海の15号棟は前川國男が手がけていて、当初は高級な存在だったのです。今見ると、ただの灰色の団地ですよね。謎の木材が積み上がっているし‥‥。
晴海の団地が舞台の映画「しとやかな獣」では、団地を訪れる客が口々に「ここ、エレベーターが無い!」と大騒ぎし、山岡久乃が「あちらの10階建てはエレベーターがありますが、こちらは家賃が安くてエレベーターがないんでございますよ〜」みたいな対応をしていました。その"エレベーターのある・お家賃のお高い・10階建て "が、この写真の15号棟なのです。そう見えなけど。
- 発売日: 2018/09/28
- メディア: Blu-ray
実は私はこの晴海の団地で生まれました。もちろんエレベーターのない、安い方の棟です。
↓私と母。写真の奥の方に見えるのがエレベーターのある、お家賃のお高い・10階建てです。
↓こちらは、「しとやかな獣」タイプのエレベーター無し。わたしが生まれたのは、こちらのタイプ。
下の写真は、かつて晴海にあった貨物鉄道です。東京港貨物鉄道のあゆみより ・TOKYOみなとりえサイト
「しとやかな獣」では、どのシーンもヤタラと乗り物(ヘリコプターなど?)の音が鳴っててとっても、不穏。特に若尾文子のお色気シーンでは、シュッシュ!シュッシュ!という音が印象的です。汽車をメタファーに使う映画は多いと思いますが、線路脇の安ホテルでなくとも、シュッシュ!シュッシュ!が自然に使えるのは、貨物鉄道が走っていた晴海だから?