銀座とは思えないスーベニアショップ「銀座館マート」
3月8日は「みやげの日」。ということで、とあるスーベニアショップを紹介しましょう。
「Ginzakan Mart」=銀座館マート。キャプションに1953年とあるので、ちょうど朝鮮戦争の頃ですね。拡大すると米兵らしき姿が見えます。手前を走る自転車の長すぎる棒も気になる。
別の人が撮影した「銀座館マート」。無骨な倉庫に、適当な看板を取り付けただけに見えます。派手なピンクの花は造花でしょうか、本物でしょうか。
これも銀座館マート。近くで見たところ。
「銀座館マート」は、本当に銀座に存在していた
この「Ginzakan Mart」(銀座館マート)の写真、銀座と名乗っているものの、荒涼としていてまったく銀座には見えない。「ほかの土地が“〇〇銀座”のノリで勝手に名乗っているのではないだろうか?」といつも思っていました。
ところが最近、本当に銀座にあったことを知ったのです。
▽なにかのショップカードに、偶然「銀座館マート」を発見!限りなく京橋寄りの銀座1丁目。まさか本当に銀座にあったとは。うたがってごめんなさい。
https://www.flickr.com/photos/58451159@N00/20395569128
▽「銀座館マート」が銀座に存在したならば…と手持ちの『中央区沿革図集(京橋編)』で昭和20年代の地図を確認してみたら、ありました、ありました「銀座館マート」が。びっくりするほど細長い施設です。戦前の地図をみると、この部分は「堀割」。つまり「堀割を埋めた」系の土地なのでしょう。
敗戦後の中央区で、「堀割を埋めた」エピソードは時々見かけます。(焼けビルの瓦礫を放り込んでいるうちに、埋まってしまうようなケースもあったらしい)。
1)敗戦後に埋め立てた、細長い土地に
2)外国人(駐留軍)がお金を落とす施設をパッと作る
…これは、同じく銀座ウラにあった「東京温泉」とよく似た香りがする。トルコ風呂で知られる「東京温泉」も、すごく細長い土地に建っていたのです。
スーベニアショップ「銀座館マート」と「東京温泉」は、どちらもオシャレな銀座のヒストリーに出てこない。その点も似ていますね。
【参考画像】「東京温泉」の内部。朝鮮戦争時の昭和26年(1951)、アメリカの雑誌『LIFE』に掲載された写真です。詳しくはこちら→東京温泉、日本の黒い霧など - 佐藤いぬこのブログ
以上、3月8日「みやげの日」にちなんだスーベニアショップの紹介でした。
▽他にもスーベニアショップ写真を紹介しています。ぜひごらんください。