終戦から10年
日比谷公園の「小音楽堂」を定点観測 昭和のテレビドラマを配信で見ていると、今は存在しない建物が当たりまえのようにうつっていて、びっくりすることがありませんか? 最近、私が気になっているのは日比谷公園の「小音楽堂」*1。昭和3年に建てられた、真っ…
映画「関心領域」は、褪色したような明るい色彩(と叫び声)が印象的でしたね。 実は「関心領域」に似た明るい色彩が、 戦後間もない日本にもありました。駐留軍の家庭に…。 今回紹介するのは1950年前後の仙台とその周辺を撮影した、ある一家です。(※すべて…
マガジンハウスは、アンアンやブルータスでお馴染みの出版社ですが、創業時どんな感じだったかご存知でしょうか。 なんと敗戦の年末には、もう「平凡」の創刊号を出しているのです。紙も何もかも不足している時代に、すばやい動きですね。 ▽右上の白っぽい表…
銀座とは思えないスーベニアショップ「銀座館マート」 3月8日は「みやげの日」。ということで、とあるスーベニアショップを紹介しましょう。 「Ginzakan Mart」=銀座館マート。キャプションに1953年とあるので、ちょうど朝鮮戦争の頃ですね。拡大すると米兵…
最近、SNSで「ジャニー喜多川・朝鮮戦争・少年」というキーワードが流れてきますね。 ▽(例)4年前の美談記事についてのツイート 4年前の記事。ジャニー喜多川氏は朝鮮戦争に派遣されていたが、その地でこんな仕事をしていたとなると……「52年に朝鮮半島に派…
グラントハイツ(現・都立光が丘公園)の光景 湿気を感じさせない広い空! 実はこの風景、アメリカじゃなくて、日本なんです。しかも時期は1955〜1957年(昭和30~32年)。つまり、昭和33年を舞台にした映画『ALWAYS 三丁目の夕日』よりも前。 先日、1950年…
子供が子供をおんぶする時代(韓国の場合) 1950年代前半、主にアメリカ人によって撮影された日本には「子供が子供をおんぶする姿」がたびたび登場します。そしてこの時期、日本よりもたくさん撮影されているのは韓国なんです。前に日本の子供の「おんぶ写真…
ジープのおもちゃと、ワカメちゃん 私の愛読書は、敗戦まもない頃のサザエさんです。 なかでも印象的だったのがこのコマ。四角い包みを見たワカメちゃんが、唐突に「ジープだね」と喜んでいる。いくら進駐軍に“ギブミーチョコレート”する時代だとしても、「…
銀座のApple Storeは、とてもツルツルしていますよね。Apple Store*1の向かいにあるデパートが松屋銀座。Apple Storeに負けないほどツルツルで、まるでみつ豆の寒天のよう。(※サムネイル画像は2022/10/19撮影) しかし、そんな松屋にも「ツルツルしていない…
青春感MAX(?)の物語、獅子文六『海軍』 2022年7月、こんなドラマがはじまるそうです。公式ツイッターの謳い文句には 「青春感MAX 」とありました。 さて「青春感MAX」といえば、ユーモア小説家の獅子文六が、本名の岩田豊雄で書いた『海軍』は、ある意味…
“米軍基地が洋楽の発信源”だった、みたいな話ってありますよね。私は音楽に詳しくないのでその辺はチンプンカンプン。しかし地元・立川(←「シン・ゴジラ」で災害対策本部ができていた場所)について調べていると、ときどき音楽関係の画像を見かけるので、今…
敗戦から『コーヒーと恋愛』までは、17年 仲間由紀恵の「トリック」(第1作は2000年)も、クドカンの「木更津キャッツアイ」(2002年)も、20年前のドラマだってご存じでした?いやあ、月日のたつのは早いものです。 獅子文六『コーヒーと恋愛』(可否道)に…
ネットで敗戦間もない時期の写真を見ていると、けっこう【人力の乗り物】がうつっています。今日はそんな時代の「人力車」や「輪タク」を紹介しましょう。 ▽[Japan, 1956]鎌倉 ▽鮮明なカラー写真が多数存在する理由はこちらをごらんください。 narasige.ha…
1950年代の立川基地にタイムスリップした場合 地元・立川で『ラストナイト・イン・ソーホー』をみました。1960年代の文化を愛する少女が当時にタイムスリップし、憧れていた時代の「暗部」に気づくお話です。 観た後、「もし『ラストナイト・イン・ソーホー…
高速道路以前の光景 前に、“生まれも育ちも中央区”のお年寄りに、以下の写真を見せて「ここはどこですか?」と聞いたことがあります。彼女曰く 川は、高速道路と西銀座デパートになった。道路は、外堀通り。左の円形の建物は現在の有楽町マリオンの一角(映…
獅子文六の『やっさもっさ』(1952)は、朝鮮戦争(1950-1953)の時期に新聞連載されました。 舞台は横浜。「国は破れ、山河とパンパンだけが残った」横浜で、混血児の孤児院を中心にストーリーが展開していきます。先日、その孤児院をイメージさせるカラー…
オシャレでわかりにくい地図に困ったことはありませんか?結局、グーグルマップで調べ直すから手間がかかるんですよね。 今日は、香港のわかりやすい地図をご紹介しましょう。顧客が乗っている「船」からのルートがハッキリ描いてあるのです。 船からの道順が…
コロナ禍のツイートと、「古き良き時代」のマジック 2021年9月6日時点で、約5万RT・11万いいねがついているツイートです。私はこれを読んで獅子文六の戦時中の小説『おばあさん』を連想しました。深刻な状況は後世に伝わりにくいという意味で…。今日はその話…
敗戦間もない頃の伊勢丹で働いていた堀内誠一 もう10年くらい前の話になりますが、堀内誠一の展示「旅と絵本とデザインと」を世田谷美術館で見たことがありまして、その時の印象は「炸裂しているなあ!」でした。堀内誠一が手がけた『anan』や『平凡パンチ』…
1985年を軸にして考えてみる 先日、「シティポップの生まれた時代は、意外と焼け野原に近い」と書きましたが、今日はその続き。敗戦から40年目の1985年を軸にして考えてみたいと思います。 「1985年8月15日」発売のムック シティポップを聴くかぎり、1980年…
野戦病院と『マッシュ』 2021年8月。新型コロナの感染者が急増し、SNSでは「野戦病院」という言葉をたびたび見かけるようになりました。あぁぁぁ。 そして「野戦病院」を描いた映画といえば『マッシュ』(1970)です!『マッシュ』は、「Mobile Army Surgica…
昭和の半裸画像 暑い、暑すぎる!……ということで、今日は昭和の半裸画像(主に男性)を集めてみました。※カラー写真はすべてもとからカラーです。 裸で晩ごはん ▽「貧乏の あからさまなる 夏の宵」という川柳についていた漫画です。実はこういう家がすごく多…
スーベニアショップいろいろ 2021年7月末の日本は、酷暑と感染拡大で「おもてなし」どころじゃないけれど、70年ほど前の日本は、ある種の“おもてなし”モードにありました。したがってスーベニアショップも多かった。今日はそれをざっと紹介しましょう。※すべ…
1950年代の浴衣 ネットには、戦後間もない日本を撮影したカラー写真があがっています。当然、着物姿の女性も写っているけれど、これが意外とお手本にならない!長いこと戦争に耐えてきたせいかオシャレが迷走しがちだから。 narasige.hatenablog.com その点…
「ものすごく強い西洋への憧れ 」とシティポップ kompass.cinra.net 「シティポップ」が海外で注目される現象について、マトを得ていると評判の記事を読みました。私は音楽に詳しくないけれど、とても腑に落ちた部分があったので引用します。 松永:あの当時…
漫画『大家さんと僕』(矢部太郎)を愛読しています。『大家さんと僕』で重要な位置を占めているのが新宿伊勢丹。読むたびに“「大家さんと伊勢丹は、ともに戦前〜戦後をかけぬけてきたのだなあ”と思うのです。 とくに印象的なのは“伊勢丹の3階から上はアメリ…
宝塚劇場の“向かい”が気になる 日比谷のMUJIカフェ(追記:2021年10月閉店)が好きです。向かいに宝塚劇場が見えるから…。私は宝塚にほとんど縁がないけれど、漫画『ZUCCA×ZUCA』を読んでファンの熱量をうらやましく思っておりました。 さて、宝塚劇場は進駐…
1950年代のカラー写真を集めた投稿です。どっさり集めているので、お好きなカテゴリーからご覧ください! はじめに。70年前のカラー写真が存在する理由 narasige.hatenablog.com narasige.hatenablog.com 服装・髪型など narasige.hatenablog.com narasige.h…
歌舞伎座が焼ける→日本橋三越で歌舞伎 日本橋のお年寄りの対談集にこんな証言がありました。 「歌舞伎も、それから演舞場も、明治座もみんな焼けちゃったので、唯一残っているというんで三越が歌舞伎をやって、 当時白木屋ですね、今の東急、あそこがどちら…
はじめに。うろ覚え木炭車 戦中・戦後の文章に、しばしば出てくる「木炭車」。みなさん、どんなイメージをお持ちでしょうか?ちなみにこれは、私の母が描いた「木炭車」の記憶スケッチ。かなり曖昧だけど、なんとなく感じが伝わってきます。車のうしろに「木…