戦争の周辺
アラフィフと軍歌(1969年の場合) 今年(2024)は「今夜はブギーバック」から30年だそうですね。 「今夜はブギーバック」が発売されて30年経ちました。4/26にはライブもあります。 pic.twitter.com/9PktQJneuO — SDP ANI (@SDP_ani) 2024年3月9日 「今夜は…
先日、50年前(1972〜73)の意外なほど派手な若者たちを紹介しました。 narasige.hatenablog.com 今回は、同時期のシニア世代をごらんください。当時の日本人が見逃していたであろう装いを、あるアメリカ人*1が旅行者の目線で大量に撮影していたのです。これ…
自称「頭が悪い」女性が、軍人のあるべき姿を語る小説 東京ポッド許可局の「あたしバカだからさあJAPAN」には笑ってしまいました。「私バカだから良く分かんないけど、アンタって◯◯だよね」。こうスバっと言ってくれる、美保純的な人をイメージした言葉だそ…
なかなかツラい本を入手しました。少年兵募集に重点を置いた雑誌『海軍』の創刊号です。(昭和19年5月/大日本雄弁会講談社)。表紙には「戦場は君たちを待つ」の文字が…… 昭和19年5月『海軍』創刊号(大日本雄弁会講談社) 目次を見ると、もはや雑誌という…
朝鮮戦争とカラフルな服 朝鮮戦争(1950-1953)の前後は、韓国や日本のカラー写真がとても豊富。flickrには「祖父が撮ったKoreaとJapan」的なくくりで、多数の写真がアップされています。 戦場となっていた韓国で目をひくのが、驚くほどあざやかな服の存在で…
最近、SNSで「ジャニー喜多川・朝鮮戦争・少年」というキーワードが流れてきますね。 ▽(例)4年前の美談記事についてのツイート 4年前の記事。ジャニー喜多川氏は朝鮮戦争に派遣されていたが、その地でこんな仕事をしていたとなると……「52年に朝鮮半島に派…
資生堂といえば、山名文夫。 山名文夫といえば、資生堂。 (アイキャッチ画像は、資生堂のあぶらとり紙です。イラスト:山名文夫) “資生堂ギャラリーで、山名文夫を中心とするグループが展覧会を行った”という文章を見た時、私たちがイメージするのは、やっ…
優美にラッピングされた大政翼賛会のメッセージ 当ブログでは以前から、戦時中の『婦人画報』に注目してきました。(やけに『暮しの手帖』と似ている点も含めて)。 narasige.hatenablog.com 先日、戦中の『婦人画報』を読み解くヒントを、桑沢洋子(桑沢デ…
子供が子供をおんぶする時代(韓国の場合) 1950年代前半、主にアメリカ人によって撮影された日本には「子供が子供をおんぶする姿」がたびたび登場します。そしてこの時期、日本よりもたくさん撮影されているのは韓国なんです。前に日本の子供の「おんぶ写真…
戦時中の『婦人画報』を読んでいると、ナチスやヒットラーが肯定的に扱われていてビックリすることがあります。 ▽例えば、記事のタイトルがズバリ「わたしたちのヒットラー」だったり。 narasige.hatenablog.com ナチスの流行局 で、今日ご紹介するのは「ナ…
勝者から見た太平洋の地図 終戦直後のアメリカの雑誌『LIFE』(1945年8月27日号)を見ていたら、思いきり勝者目線の地図がありました。「どうです、戦時中の我が社の活躍ぶりは?」といわんばかりの広告なんですよ。ウェスタン・エレクトリック社という電気…
戦時ラブコメは、設定がむずかしい 昭和の人気作家・獅子文六の『虹の工場』(新潮社『日の出』昭和15年1〜12月連載)は、いわば戦時ラブコメです。 【巨大軍需工場のお坊ちゃん】と、【町工場の職工】が、ひょんなことから同じ女の子(キャフェの女給)を好…
私は、映画『ミッドサマー』見た時、あまりの恐ろしさに胃が固まってしまいました。映画が胃に“きた”のは、はじめての体験です。 さて、戦時中の「婦人画報」を見ていると、ときどき『ミッドサマー』を感じることがあります。明るい色彩の奥底に、ナゾの理屈…
『戦争と宣伝技術者 報道技術研究会の記録』大政翼賛会時代の花森安治 「暮しの手帖」の花森安治。 「資生堂」の山名文夫。 この2人がコラボしたら、ものすごく魅力的な“何か”が誕生するはずですよね、ふつうは。(現在、ふろしきが商品化されています→□) …
「わたしたちのヒットラー 総統と少女」 「わたしたちのヒットラー」……びっくりするようなタイトルですが、今日は戦時中の『婦人画報』(昭和17年5月号)を紹介しましょう。 ▽「ヒットラー総統の誕生日に花束を捧げるために、ひしめき合っている少女たち」。…
あけましておめでとうごさいます。タモリの発言「新しい戦前」がTwitterで話題ですね。2023年はいったいどんな年になるのでしょうか。 ちょうど手もとに昭和11年(1936)の冊子があります。大日本雄弁会講談社「富士」新年号の豪華附録『トテモ愉快な絵読本…
オシャレな広告塔は、いつからあった? ここ10年ほど、私の趣味は敗戦直後のカラー写真を見ることです。(進駐軍の子孫と思われる人たちが、[祖父が撮影したアジア]といったカテゴリーでネットにあげている。もちろん進駐軍が撮影する場所は限られているか…
最近、お笑いトリオ「ぱーてぃーちゃん」を知りました。チャラ男1人にギャル2人という設定のグループです。 私はお笑いをよく知らないけれども、けっこう動画を見てしまった。特に「チャラ男」役の人には、博多大吉先生的な何かを感じました。 獅子文六の短…
ジープのおもちゃと、ワカメちゃん 敗戦まもない頃のサザエさんには、“ほっこり”じゃないネタ(住む家のない親子、引揚げの苦労など)も 目白押しです。 中でも印象的だったのがこのコマ…。四角い包みを見たワカメちゃんが、唐突に「ジープだね」と喜んでい…
獅子文六と【戦争→敗戦→どん底からの復興】 かまいたち濱家が歌っている「ビートDEトーヒ」。ダンスは可愛いけど、歌詞はけっこう暗いんですね。“ポップなビートで、トーヒ(逃避)したい。つらい現実から目をそらしたい”みたいな内容で。 #ビートDEトーヒ踊…
『マンガ韓国現代史―コバウおじさんの50年 (角川ソフィア文庫)』。韓国の4コマ漫画です。表紙は、2001年に発行された「ゴバウおじさん50周年記念の切手」だとか。 おじさんの服が1950年→2000年と、どんどん変化していますよね。最初の頃の装い(1950年前後)…
銀座のApple Storeは、とてもツルツルしていますよね。Apple Store*1の向かいにあるデパートが松屋銀座。Apple Storeに負けないほどツルツルで、まるでみつ豆の寒天のよう。(※サムネイル画像は2022/10/19撮影) しかし、そんな松屋にも「ツルツルしていない…
今になって『デスノート(テレビ版)』を見ています。(脇役で、ひいきの俳優が出ていると聞いたもんですから)。「L」は、ソファに“横向き”で座る人なんですね。だるそうなのに、ツルン!と上手に座るからつい感心してしまう。 スポニチアネックス 2015年7…
今日は1972-3年(昭和47-8)の日本の若者を紹介しましょう。ちょうど50年前なので、彼らは今、70歳代でしょうか。 その頃の若者ってセピア色じゃなくて、むしろ派手!(人や地域によるだろうけれど)。撮影はアメリカ人Nick DeWolf→☆氏です。 ▽顔をカールで…
「子供の頃好きだったお菓子が、すごく小さくなっている」という嘆きをSNSで見かけます。なにごとも、小さくなるのは悲しいですよね。 今日は、戦時中にグラフ誌の写真が、小さく(安く)なった例を紹介しましょう。画像は、すべてお金持ち向け雑誌『ホーム…
お灸でメンテナンス(ほっこり編) 私がセルフ灸をするときは、関節に油をさすつもりでやっています。ブリキのロボットが自分自身を整備している感じです。 「人生50年」の時代ならともかく、関節の耐用年数を過ぎても生きていくからには、メンテしておいて…
日比谷公園の国葬風景(東郷平八郎)【昭和9年6月】 いきなり国葬が決まって、モヤモヤしています。 先日、日比谷公園の国葬(東郷平八郎)記事を読めるサイトを見つけたので、参考までにご紹介しますね。日比谷公園といえば、野音やオクトーバーフェスト、…
提灯行列で東京じゅうが大騒ぎ 映画「アネット」(2021)のエンディングは、カラフルな提灯行列が印象的でしたね。実は、日本も盛んに提灯行列をしていた時期がありました。 たとえばこれは日中戦争がはじまった昭和12年の光景です(昭和12年12月13日/影山…
青春感MAX(?)の物語、獅子文六『海軍』 2022年7月、こんなドラマがはじまるそうです。公式ツイッターの謳い文句には 「青春感MAX 」とありました… さて「青春感MAX」といえば、ユーモア小説家の獅子文六が、本名の岩田豊雄で書いた『海軍』は、ある意味「…
ベルリン子の熱狂と、山口青邨『滞独随筆』 話題の書店、神保町のPASSAGE by ALL REVIEWSで*1、山口青邨の『滞独随筆』(昭和15年・三省堂)を見つけました。山口青邨は、“俳人で鉱山学者”。ギョッとする表紙ですが、今日はこの本をご紹介しましょう。 『滞…