戦争の周辺
食いつめ者を「人柱」に www.youtube.com ポン・ジュノ監督の『ミッキー17』はもうご覧になりましたか? 食いつめた青年、ミッキー 極寒の植民地(星) 「使い捨て労働者」で人体実験 ……という『ミッキー17』の設定で、なんとなく私が連想したのが、日本から…
今週のお題「わたしの体調管理法」 私の健康法は、お灸です。 私は鍼灸の国家資格を持っているので、お灸を(モグサの状態から)ひねることもできるけれど、ふだんは「せんねん灸」を使っています。 ちょっと疲れたとき… ちょっと痛いとき… すかさずお灸をし…
能天気!人気マンガ家の満州旅行 私は戦前の漫画が好きで集めています。 たとえばこれは人気マンガ家たち(宮尾しげを・池部 鈞など)が描いた満洲旅行記『漫画の満洲』(昭和2年/1927)*1。 まるで《天国よいとこ一度はおいで 酒はうまいし、ねえちゃんは…
プロパガンダ美術の展示@竹橋 宣伝も図録もないことで評判になっている東京国立近代美術館の企画展「記録をひらく 記憶をつむぐ」。もういらっしゃいましたか?タイトルからはわかりにくいけれど、戦争画、プロパガンダ美術の展示です。 私は今、足を痛めて…
少年に「死にどき」が忍び寄る時代 小説家・山田風太郎(1922-2001)の『昭和戦前期の青春』(ちくま文庫)を読んでいたら、「死にどき」という言葉が出てきて思わずギョッとしました。 昭和6年の満州事変のときは小学校4年であったが、「大人の戦争」だと思…
人気の司会者は、特攻要員だった 今年2025年は昭和100年。昭和レトロをテーマにした企画も多そうです。↓例・フェリシモの「カワイイ昭和博」 www.felissimo.co.jp 今日は、まさに華やかな昭和カルチャーを作ってきた人物を紹介しましょう。『ゲバゲバ90分!』…
覚醒剤と『食べ物さん、ありがとう』 著名人が、戦時中「別の顔」を持っていて驚くことはありませんか?(有名な例:大政翼賛会にいた花森安治*1) 今日は『食べ物さん、ありがとう』(1986 朝日新聞社)*2で人気だった栄養学の「川島先生」こと、川島四郎の…
近未来社会を描いた『侍女の物語』(1985)が、今や現実に…と話題ですね。 https://t.co/RAERtkvw1c「ディストピア洗脳3原則①国民の婚姻・生殖・子育てへの介入と管理②知と言語(リテラシー)の抑制③文化・芸術・学術への弾圧」 — 本田由紀 (@hahaguma) 202…
このところ「昭和」が、観光資源になっていますよね。現代にはない夢やエネルギーを感じる人が多いのかもしれません。 【例】熱海の「ホテルニューアカオ」 熱海【ホテルニューアカオ】の滞在が、控えめに申し上げて天国だった件 #SmallGoodThingshttps://t.…
写真を切り抜いて、可愛く脱臭 サムネイルにギョッとされたかもしれません。これは『婦人画報』1942年(昭和17)5月号「わたしたちのヒットラー」というタイトルの記事を使ってつくりました。写真をイイ感じに切り抜くと、なま臭さが消えてしまうのが怖いで…
▲サムネイルは、canvaで“マルチバース”を検索をして(笑)作りました。 戦時中の虚弱青年に『エブエブ』的な「分岐」が起こったら… 映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』に〈宇宙の分岐〉みたいな図が繰り返し出てきましたよね。 ▽中…
小さな村で「国威擁護運動」が? 日々見かける〈扇動〉の2文字。 今回は昭和の人気作家・獅子文六が、扇動を描いたユーモア小説を紹介しましょう。昭和10年(1935)の短編『久里岬土産』*1からは、ネットがない時代の〈扇動〉がうかがえます。 ** 舞台は伊…
※サムネイル画像は「学徒出陣」鈴木満(昭和18)*1 「いい感じ」に仕上がっている小津映画 以前、映画ライターのてらさわホーク氏がYouTubeで〈小津安二郎は、ちょっとあぶないと思ってるんですよ〉と語っていたのが印象的でした。 ぼく小津安二郎って、けっ…
戦中のグラフ誌と、おしゃれマップ 戦時中の対外宣伝グラフ誌(『NIPPON』、『FRONT 』など)には、びっくりするほどお洒落な地図があります。 あまりにお洒落なので、「本当に、80年以上前の地図ですか?」と思ってしまうほど。今日は、そんな地図(満洲・…
昨年、「キャラクターデザインの先駆者 土方重巳の世界」に行きました。昭和の可愛いグッズが大量に展示されていて、高度経済成長の迫力を感じましたね。 ▽「サトウのサトちゃん」も「ブーフーウー」も、土方重巳 サトちゃんの作者と、溶鉱炉のポスター とこ…
日比谷公園の「小音楽堂」を定点観測 昭和のテレビドラマを配信で見ていると、今は存在しない建物が当たりまえのようにうつっていて、びっくりすることがありませんか? 最近、私が気になっているのは日比谷公園の「小音楽堂」*1。昭和3年に建てられた、真っ…
映画「関心領域」は、褪色したような明るい色彩(と叫び声)が印象的でしたね。 実は「関心領域」に似た明るい色彩が、 戦後間もない日本にもありました。駐留軍の家庭に…。 今回紹介するのは1950年前後の仙台とその周辺を撮影した、ある一家です。(※すべて…
「笑いで健康づくり推進条例」のニュースが流れてきましたね。このニュースで思い出したのが、昭和初期に発行された「笑い」をテーマにした雑誌付録です。 www3.nhk.or.jp 今、私の手もとにあるのは、昭和8年・新潮社の『笑いの日本』と、昭和11年・講談社の…
1965年(昭和40)の『ミセス』で、不思議な特集を見かけました。ゴージャスな美女たちが、微妙な横座りしているのです。 タイトルは「すわるのが好きなミセス」。スカートの裾が広めの服を紹介しています。 若いころはすわるのが苦手でしたが、近頃は腰かけ…
マガジンハウスは、アンアンやブルータスでお馴染みの出版社ですが、創業時はどんな感じだったかご存知でしょうか。 なんと敗戦の年末には、もう「平凡」の創刊号を出しているのです。紙も何もかも不足している時代に、すばやい動きですね。 ▽右上の白っぽい…
アラフィフと軍歌(1969年の場合) 今年(2024)は「今夜はブギーバック」から30年だそうですね。 「今夜はブギーバック」が発売されて30年経ちました。4/26にはライブもあります。 pic.twitter.com/9PktQJneuO — SDP ANI (@SDP_ani) 2024年3月9日 「今夜は…
『池田満寿夫 20年の全貌』 美術出版社1977年 名前に「満洲」が入っている池田満寿夫 あの森茉莉がエッセイ*1で「上等の庶民芸術家」と絶賛していた池田満寿夫。私が知っている池田満寿夫の情報といえば、 モジャモジャ頭 『エーゲ海に捧ぐ』の作者 満洲生ま…
先日、50年前(1972〜73)の意外なほど派手な若者たちを紹介しました。 narasige.hatenablog.com 今回は、同時期のシニア世代をごらんください。当時の日本人が見逃していたであろう装いを、あるアメリカ人*1が旅行者の目線で大量に撮影していたのです。これ…
自称「頭が悪い」女性が、軍人のあるべき姿を語る小説 東京ポッド許可局の「あたしバカだからさあJAPAN」には笑ってしまいました。「私バカだから良く分かんないけど、アンタって◯◯だよね」。こうスバっと言ってくれる、美保純的な人をイメージしている言葉…
△サムネイルは、『海軍』創刊号の目次から作りました 少年兵の募集に重点を置いた雑誌 先日、ツラい本を入手しました。少年兵の募集に重点を置いた雑誌『海軍』(講談社)の創刊号です。戦局の悪化で雑誌の統廃合がすすむ中、あえて昭和19年に「創刊」してい…
朝鮮戦争とカラフルな服 朝鮮戦争(1950-1953)の前後は、意外なほどカラー写真が豊富。flickrには「祖父が撮ったKoreaとJapan」的なくくりで、多数の写真がアップされています。 narasige.hatenablog.com なかでも目をひくのが[Korea, 1952]といったキャ…
最近、SNSで「ジャニー喜多川・朝鮮戦争・少年」というキーワードが流れてきますね。 ▽(例)4年前(2019)の美談記事についてのツイート 4年前の記事。ジャニー喜多川氏は朝鮮戦争に派遣されていたが、その地でこんな仕事をしていたとなると……「52年に朝鮮…
資生堂といえば、山名文夫。 山名文夫といえば、資生堂。 (アイキャッチ画像は、資生堂のあぶらとり紙です。イラスト:山名文夫) “資生堂ギャラリーで、山名文夫を中心とするグループが展覧会を行った”という文章を見た時、私たちがイメージするのは、やっ…
優美にラッピングされた大政翼賛会のメッセージ 当ブログでは以前から、戦時中の『婦人画報』に注目してきました。(やけに『暮しの手帖』と似ている点も含めて)。 narasige.hatenablog.com 先日、戦中の『婦人画報』を読み解くヒントを、桑沢洋子(桑沢デ…
子供が子供をおんぶする時代(韓国の場合) 1950年代前半、主にアメリカ人によって撮影された日本には「子供が子供をおんぶする姿」がたびたび登場します。そしてこの時期、日本よりもたくさん撮影されているのは韓国なんです。前に日本の子供の「おんぶ写真…