先日、50年前(1972〜73)の意外なほど派手な若者たちを紹介しました。
今回は、同時期のシニア世代をごらんください。当時の日本人が見逃していたであろう装いを、あるアメリカ人*1が旅行者の目線で大量に撮影していたのです。これはありがたい!以下、1972〜73年の写真です。※すべて元からカラー写真
[tokyo, japan fall 1972]スカーフと、真っ黒に染めた髪。
[streetlife]「風呂敷を背負う」は、皆ある時期までやろうと思えばできたのか?
[pedestrians streetlife, candid]背中の風呂敷と、手に持った風呂敷が同じ柄
[japan, 1972]カラフルな割烹着で重労働。1972年は敗戦から28年。この写真には若くして戦争未亡人になった人がいるかもしれません
[kyushu, japan, 1972]割烹着のスソは、モンペに入れる。
[tokyo, japan 1973 onbu (babywearing)]「昭和のテーマパーク」では再現しにくい姿。赤ちゃんはキムタク(1972生まれ)と同世代です
[meiji shrine imperial garden]迫力!007の上司「M(ジュディー・デンチ)」みたい
[shoeshine woman]くつみがき。屋外でじっと客を待つ…冷える環境です
[elderly woman kameido tenjin shrine]亀戸天神社。華やかなショールだけれど、よく見ると前掛けをしている。
[woman crossing moon bridge kameido tenjin shrine]ショールをおさえつつ亀戸天神社の太鼓橋を降りる人。見ていてハラハラします。両手はあけておきたい。
[woman crossing moon bridge kameido tenjin shrine]これも亀戸天神社の太鼓橋
[old woman, smiling]この時代、「白髪の人」と「真っ黒に染める人」が分かれているようです。今はシロウトさんもクロウトさんも、白髪まじりの茶髪だったりするけれど。
[two women street market]けんかが強そうなおばあさん。
[parade crowd]若者たちとおばあさん。この若者も今や60代後半〜70代
上品な装い。「夫も、息子も、娘ムコも、みな帝大出です…ほほほ」といった雰囲気
おじいさん
数少ないおじいさんの写真もどうぞ。この人たちは愛すべき「おじいちゃま」なのか?あるいは「戦時中、要職についていて残酷な指令を出した人」なのか?……写真からはわかりません。
以上、1972〜3年の中高年でした。全体に茶色っぽい印象ですよね。しかし、彼らも若い頃から茶色い装いだったわけではないと思うのです。
彼らは戦中〜戦後とても苦労したはずですが、青春時代を過ごしたのは1930年(昭和5)前後。意外とモダン都市で“今どきの若者”をやっていました、というタイプも少なくないような気がします。
【例】1930年(昭和5)発行の本から「反り返って歩く」断髪のモガ。派手な着物で、いかにも生意気そう。行間に、“今時のムスメはまったく…”といった気配が滲み出ています。画は池部 鈞(俳優・池部良のお父さん)
【参考画像】同じ人が撮影した同時期(1971)のアメリカです。服はグレーだけど小物が鮮やか。
▽今回は都市部の写真中心でしたが、地方の様子はこちらをごらんください。