佐藤いぬこのブログ

戦争まわりのアレコレを見やすく紹介

桜井順さんトークショー

f:id:NARASIGE:20210926204445p:plain

帰ってきたウルトラマン」の団次郎さん経由で桜井順さんを知りました

2020年1月26日、逗子マリーナで行われた作曲家・桜井順さんのトークショーにうかがいました。私は、「帰ってきたウルトラマン」の郷秀樹隊員こと団次郎さん(団時朗)のファンでして、団さんが出ていたカッコイイCM群(1960年代末)の“音楽を担当していたヒト”として桜井順さんを知ったのです。(アイキャッチ画像は、1968年頃の資生堂花椿」からデビューまもない団次郎さんを拝借しました)

 

トークショーは桜井さんと、アレンジャーの今井友子さんがコックさんに扮した「クッキングトレイン」のエアーピアノ連弾からスタート。コックさん帽が巨大で愛らしかった!

そして桜井さんが手がけた大ヒットCMソング(「お正月を写そう」「カツオ風味のほんだし」等)に続き、杉山登志による資生堂のCMも流れました。

f:id:NARASIGE:20200128111548j:plain

資生堂MG5のCMに出てくる大型犬は、桜井さんのアイディアだったとのこと。「モデルに何を持たせようか、ということになった時に、犬だ!とひらめいた」そうです。MG5といえば、〝団次郎さんと大型犬〟の黄金の組合わせしか考えられませんが、桜井さんのアイディアがなければ実現しなかったのかもしれませんね。

桜井さんは〝CMはその時代で評価される。永久に鑑賞できるものではない〟と話されていましたが、いやいや、流れたCMの数々の熱量と輝きは、凄まじいものがありました。

 杉山登志のスケッチブック

また、37歳でこの世を去ったCMディレクター杉山登志についても語っていました。「(自殺した)1973年が不況だったからという人がいるが、そうではない。 杉山登志はもっと前から自殺する絵を何枚もスケッチブックに描いていた」とのこと。※「CMにチャンネルをあわせた日 杉山登志の時代」で、桜井さんはこのスケッチブックについて非常に細かく解説しています。

杉山登志は、MG5などめちゃくちゃ美しいCMを作ったのに「リッチでないのにリッチな世界などわかりません」という有名な遺書を残した人。余談ですが、私は杉山登志が少年時代を過ごした“基地の街”に住んでいます。敗戦直後、進駐軍の豊かさに日本人がわっと群がる環境が、杉山少年にどのような影響を与えたのか。とても気になるところです。

  世直しトリオ(野坂昭如永六輔小林亜星)は、ジョジョ・ラビット世代

桜井さんの手がけた「世直しトリオ」(野坂昭如永六輔小林亜星)の動画も流れました。筑紫哲也のニュース番組に出た時の映像で、JASRACの不正をオペラにのせて唄っていました。桜井さんは「今は“桜の会”でも、こういうことが出来ない」とおしゃっていましたっけ。

「世直しトリオ」が「なんじゃん・わるつ」を歌うシーンでは、歌詞に「天皇陛下」が出るタイミングで、3人揃ってビシっとカカトを揃え「気をつけ」の振付をしていたのが印象的。桜井さんをはじめとして永さん、亜星さん、筑紫さんは終戦の時に10歳前後。まさに話題の映画「ジョジョ・ラビット」世代なのですね。(野坂昭如だけ5歳くらい上)

桜井さんはブログで、今回のトークショーについて「多分、最後のパフォーマンス」と書いていますが、また開催されることを願います。

f:id:NARASIGE:20200128165506j:plain

 

h3 { color: #FFFFFF; background: #000000; padding: 0.5em; } h4 { border-bottom: dashed 2px #000000; } h5 { border-bottom: double 5px #000000; }