船で千葉の海水浴場へ

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これは昭和初期の千葉県の北條を描いた漫画(昭和3年・現代漫画大観「日本巡り」より)

絵の解説によると、千葉県の北條には「一高(現在の東京大学教養学部)、高等師範、その他多数の学校の水泳合宿所が軒を並べて」おり、霊岸島から船がつくと」先に合宿所にきていた学生達が友達を出迎えに船まで泳いでやってきたそうです。ポイントはこの船が霊岸島」から千葉にやってきているという点。「霊岸島」は、今の中央区の新川。現在の新川に港の機能はまったく感じられませんが、かつては"千葉にいくなら霊岸島だよね!"みたいな感じがあったらしい。


みちくさ学会のサイトより霊岸島の住所表示板。すごく難しそうな漢字です。
michikusa-ac.jp



獅子文六の随筆「ちんちん電車」にも霊岸島が出ていました。

昔、三崎や房州へ行くのに、東京から汽船に乗ったが、それは霊岸島というところで、港なんていうものはなかった。


同じく、獅子文六の小説「浮世酒場」(昭和10)にも霊岸島が登場します。こちらは霊岸島→大島。無断欠勤した女給さんを心配している会話です。

「して、一体どこへ行ってきたンだい。フラフラと霊岸島で切符を買って、大島へ行く気になったのではないかい。何でも相談に乗ってやるから、隠さずに云いなさい。」

この場合のフラフラと霊岸島で切符を買って、大島へというのは、当時、三原山で投身自殺があったからですね。


bunshun.jp