闘士型、肥満型の昭和のオジサンの中にも、足が冷えて寝られないタイプの人がいるのをご存知ですか?
その“足の冷たいオジサン”とは、巨万の富を築いた相場師、佐藤和三郎。獅子文六の小説『大番』のギューちゃんのモデルになった人物です。
▽映画化もされています。
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「大番」ギューちゃんのモデルは、足が冷たかった
相場師の佐藤和三郎は、株屋の小僧さんから裸一貫でたたきあげた「快男子」。以下の引用は間中喜雄博士の灸とハリ (1978年)から。(著者は外科医で鍼灸師)
獅子文六氏の名著「大番」で有名になったギューちゃんこと佐藤和三郎氏である。氏は四国の産*1で、裸一貫で少年時代に上京し、株屋の小僧さんからたたき上げて、巨万の産を成した快男子である。
しかし、肥満体質の多血質、活動的で筋骨たくましいのに、足だけは冷たくて、早くから電気毛布を入れないと寝られない。こういう型の訴えは「頭寒足熱」の逆で、足寒頭熱ののぼせ症である。血圧も高いし、糖尿病も持っておられるが、養生はいっさいしない。ただ、電気毛布を入れると、夜明け前に鼻血が出たり、歯が浮いて痛んで困るという。
「養生はいっさいしない」というのがスゴい!
“ガタイがいいのに、足だけ冷たい”というのも、なんだかわかるような気がします…。(太った人にはキツイ冷房が最高のサービス、とは限らないのかも)
ちなみに、小説『大番』のギューちゃんは、冷房がない時代の花街で、汗をかきかき"励んで"います(笑)
*1:※佐藤和三郎を"四国の産"と書いてますけれど、彼は新潟生まれのようですね。「大番」のギューちゃんが四国生まれの設定なので、間違えたのかもしれません。