佐藤いぬこのブログ

戦争まわりのアレコレを見やすく紹介

虫そのもののブローチ(昭和14年)

国防婦人におすすめ!昆虫そのもののアクセサリー

こちらは昆虫モチーフではなく、虫そのものを特殊加工した「ツノクワガタのヘアーネットピン」。「戦車の鍬形虫は、国防婦人に見るからに興趣つきせぬものがある」とありました。うーん、編み目にひっかかりそうです。富裕層向けの雑誌「ホームライフ」昭和14年9月号より。f:id:NARASIGE:20201210095051j:plain

▽「宝石代用に国産昆虫」帯留、指輪、ブローチなど。

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法隆寺の玉虫の厨子への憧れを、「事変下」に思い出そう

解説には「想へば、法隆寺の玉虫の厨子以来、忘れてゐた虫たちへの憧憬が完全に充たされる時がはからずも事変下に来て、私は輸出工芸としても異常な期待をかけてゐる者である。吉田平七郎」とありました。

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▽台湾産=国産の時代

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虫のアクセサリーをApple Music風に加工

「はじめての虫ブローチ」

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自粛型パーマ

 以上、昆虫ブローチの話題でしたが、同じく昭和14年9月号に出ていたほかの特集特集も紹介しますね。まずは「電髪自粛型」。パーマをかけないのではなく、怒られない程度に上品にかけちゃえ、ということらしい。

精勤の話が出れば必ず飛び出すパーマネントとネオンの問題。その問題のパーマネントも物議を醸してバカリゐるのはあまり派手だから目障りになるといふので、いはゆる自粛型パーマネントと称すべき興亜型が生まれてきました。むろん年齢等で異りはあるとしても大体におとなしい上品な型バカリです。

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スフ入りベビー服

「事変下の赤ちゃんのために」

「産めよ殖やせよ」の大国策で、赤ちゃんの大量生産に、政府は鉦太鼓をたたいているが、事変下における赤ちゃんの着物類は、どこでも一様に「赤ちゃんの肌着類と種類だけはスフが入らない純綿ものが欲しい」と悲鳴をあげている。「第一、生まれたての乳児の肌にスフ入りは冷たくて可哀想です。おしめも乾きが遅くて困ると家庭から苦情が多い。

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▽評判の悪いス・フ(ステープルファイバー)。ス・フについての騒動は、こちらをご覧ください。 

narasige.hatenablog.com

 スプーンも、靴も、代用品

この時期は、代用品の記事が多い。

あらゆるものに代用品時代が来た。▲真鍮、亜鉛の禁制にかはる木の洗濯桶の再登場▲真鍮禁制による硬質陶器のスプーンフォークナイフ。濡れても錆びぬ点は金属製よりも重宝がられ熱気消毒しても変色の憂いはない▲中はキルク、外はベークライト、これに木の葉の繊維を薬品で焼込んで模様をつけた草履は、軽快で履き心地よく汚れが目立ぬ代用品。▲革代用品として愛されるエナメル・レザーの鉛筆入れ。▲鮫皮の靴、男子用11円80銭、御婦人用15円50銭。

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以上、 昭和14年9月号からの抜粋でした。 ちなみに、昭和14年の「ホームライフ 」の表紙はこんな感じ。表紙はとっても優美ですが、中身は戦時仕様なんです!f:id:NARASIGE:20201210093010j:plain

◎この時期の出来事を冊子にまとめました。

ninshikibusoku.booth.pm

 

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